スペインのESADE(エサデ)ビジネススクールはこのほど、観光地が人を集めるに際して重要な点として安心感や効率、安全が価格より大きいとする、500人の外国旅行客に対して行ったアンケート結果を発表した。西側メディアが伝えた。対象者の71%が、おもてなしの高さとサービスの質が休暇を過ごす場所を選ぶのに重要な要素だと答えた。中でも中国人にその傾向が強く、ロシア人とフランス人もわずかの差でこれに続いた。
スペインのエル・パイス紙(2月29日付け)が伝えた同レポートによると、おもてなしには2つの面があるという。まずは入国制度、安全、交通運輸、レジャー施設といったハード面。もうひとつは安心感、効率、快適空間など人の気持ちに関する面である。こうしたソフト面よく研究し、ツアーなどに組み込んでいる旅行会社が、各方面で大きな成果を得ている。
おもてなしの心はとりわけの都市の観光において高い経済的な影響力を持つ。安心感や待ち時間の少なさ、サービスの質といった無形の概念が、旅行客の支出を増やすことにつながっている。買い物の支出額が多い人ほど、宿泊や遊び、食事などの面でもより多く支出する――とレポートは指摘する。
おもてなしの心は若い人ほど重視する。20代で”おもてなしの高さ”を観光目的地を選ぶ基準にしている人の割合は34%。30代で33%、40代で18%となっている。そのほとんどは男性とされる。
同スクールのパリス教授は「値段の安さが旅行サービスを評価する唯一の判断基準ではなくなった。親切かどうか、効率がどうであるか、サービスのスピードは?などといった点が観光客を呼び寄せるための大きく関係する」「現代は心のこもったおもてなしが求められる時代。こうした考え方を経営に生かし、お客様の待ち時間を減らそうとしている会社が他の会社などより大きな利益を上げている」と指摘する。
スイスの免税サービス会社・グローバルブルー社は、「中国人のショッピングにおける平均支出額は1000ユーロと、スペインの商店におけるEU以外の国からの観光客の消費額全体の60%を占めている」「中国人は他の国の観光客よりも旅行中に受けるもてなしを重視する。スペインの企業にとっては旅行会社のサイトで、直接中国の消費者に自社を紹介することが重要である。また中国人の文化を尊重し、相手の目を直接見ないとか、体に触れないといったことにも気を配った方がいい」と強調する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月6日