トニー・ショーンさんは学校での長い1日を終え、家に帰った。ソファに腰掛けると、スタインベックの「二十日鼠と人間」を取り出した。彼女は高校1年生。サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を読んだばかりだ。この本を読み終えてから、もっと重いテーマの本を読もうと考えたのだ――。
オンライン雑誌「The Diplomat」5月24日付記事によると、暇があるときにトニーさんは、アメリカの名著以外にも撮影やパソコンゲームなどを楽しんでいる。また模擬国連クラブ活動にも参加しており、環境破壊から中東の女権主義など様々なテーマでディベートを行っている。
「授業では理科に力を入れています」とショーンさんは言う。「ただ、文学や人文科学にも興味があるんです」。彼女は北京四中の高校1年生である。
中国の大学入試は競争が激しい。この試験によって、子供たちが今後どんな教育を受けるかが左右される。北京四中は北京で有名校進学率が高い高校だ。大学入試を受ける学生は皆、この試験がどんなに重要なものかを理解している。この試験に備え、3年間必死に勉強を続ける学生も少なくない。学校は学生の学力を上げるために、統一的な軍隊式の管理を行うこともある。