ただし、KTVをオープンさせるためには難題をクリアする必要があった。ドイツの大学では英語を使って授業を受けてきた。一方、ドレスデンの行政組織で働くドイツ人の多くは英語が苦手だった。そのため彼らとのやり取りには多くの手間暇がかかった。
言語以外にも大きな難題があった。当初、カラオケ機器は中国語入力しかできなかった。試しに来店してきたドイツ人の多くが中国語システムを使えなかったため、とても残念に感じたと孫さんは言う。「ドイツではやはりドイツ人が大多数を占めます。だからこの大きなマーケットを失いたくなかった」。そして様々な方法を通じ、やっとのことでドイツ語入力のできるカラオケのアプリケーションを探し当てた。
KTVはカラオケ、バー、ディスコを融合させたもので、多くの顧客から好評を得ている。ここを利用するのはドイツに住むカラオケ愛好者だけでなく、はるかライプツィヒやハンブルクに住む中国人もやって来る。英語やベトナム語、ロシア語でも歌の入力ができ、ドレスデンに住む外国人も来店し、この店のお得意様になっている。さまざまな言葉が行き交い、まるで小さな国連だ。開店1年足らずで初期投資を回収できそうだというのも理解できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月27日