古代の人々は「不孝有三,無后為大」(不孝なことは数あるが、子孫を残さないことが中でも大きい)と言った。中国には昔から、「養児防老」(子どもを育てて老後に備える)という観念がある。だが近年、経済・社会が発展し、生活の圧力が高まり、高齢人口が増加する中、老後の生活をめぐるモデルは多様化の傾向を示している。旧来の考え方や観念を捨て、「子どもを育てて老後に備える」から「お金を貯めて老後に備える」「家を買って老後を過ごす」などにシフトする人がますます増え、養老金(年金)の役割もより際立つようになっている。だが養老金があれば、心配なく老後を過ごすことができるのだろうか。巨大な高齢人口に直面する中、中国式の高齢者サポートはどこに向かいつつあるのだろうか。
養老保険基金の収支状況の省ごとの格差は拡大し続けている。人力資源・社会保障部がこのほど公表したデータによると、2015年当期の基金の収入が支出をカバーできない省は6つに増え、東北3省はすべてこの中に入った。専門家によると、人口の高齢化激化と扶養率の高まりは、この問題をもたらした重要な原因の一つとなっており、養老保険の全国的な統一調達をできるだけ早く実施する必要がある。あるメディアによると、全国統一調達プランの初稿はすでに形成されており、早ければ年内に打ち出される。
際立つ養老保険の「持続不可能性」
黒竜江省財政庁社会保障処の馮広棟処長によると、人口の高齢化問題の激化と扶養率の年々の高まりにつれ、養老保険の持続不可能問題は近年、ますます際立ちつつある。2011年からは、養老金の当年収入が支出をカバーできなくなり、不足は年々拡大している。