馮広棟処長によると、省レベルでの調達体制が取られている現在の養老保険制度には、ネックとなる解決しがたい問題が二つ存在している。一つは、日増しに激化する人口高齢化の問題である。黒竜江省の総人口に占める60歳以上の高齢者人口の割合は2015年には16.9%に達し、全国に先駆けて高齢化社会に入り、支出の圧力は拡大し続け、状況はますます持続不可能なものとなっている。もう一つは、高齢者扶養率の年々の高まりという問題である。旧工業拠点である黒竜江省では、国有企業の労働者や産業労働者が数多く、養老保険の扶養率(退職者数と保険料を支払う在職者数の比率)は全国トップの1:1.16で、全国平均水準をはるかに上回っている。
馮広棟処長は、全国での統一的な調達をできるだけ早く実施し、人口高齢化と扶養率の高まりなどによる関連省の養老金不足を国家が統一的に調整・解決することを提案している。
長期的に見れば、高齢化と養老金不足の問題を緩和する唯一の方法は経済発展速度を高めることだが、関連専門家は、全国的な統一調達制度はより直接的で有効な解決方法であり、早期の実現が求められると指摘している。養老保険の全国統一調達プランの打ち出しは焦眉の課題と言える。
「子どもを育てて老後に備える」という観念が薄れた原因
1.子ども自身の生活圧力が大きい 61.5%
2.老後の生活方式が多様化している 47.9%
3.家庭での養老の圧力が高まっている 44.9%
4.一人っ子によって家庭が小型化している 43.6%
5.老人の生活理念が変わっている 41.0%
6.人々は早くから自分で老後の計画をしている 33.6%
7.社会養老保障体系が改善している 33.5%
8.老人は自分の社交関係を持っている 26.8%
(データソース:中国青年報社会調査センター)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月27日