翟振武氏は「出生人口の男女差のアンバランスで引き起こされる最大の社会問題は、“男余り”と“一生独身”という危機だ」と述べる。1980年代中ごろから全国的に女の子より男の子が多く生まれる現象が続いている。それが続いた結果、今後30年で結婚適齢期の男性が女性より3000万人多くなるという予測がある。中国社会科学院人口労働経済研究所の王広州研究員が率いる研究グループが提供するデータによると、2020年に35~59歳の未婚男性は1500万人前後となり、2050年には3000万人近くになると予測している。
「“男余り”は文化水準が低く定収入な貧困層で増加し続けている。これは中国経済および社会の不平等問題を加速させるものだ。同時に、中国の人口安定にとっての脅威でもある」と、国家衛生計画出産委員会の王培安副主任は指摘する。性別バランス失調問題は、中国の人口構造の安定した発展と社会の安定にとって大きな問題だ。具体的にどんな人々が結婚面で抑圧されるのだろうか。王広州氏は、教育レベルが低い男性が最初のやり玉になりやすいと指摘する。1990年、35~59歳で小学校卒レベルの未婚男性は、未婚男性全体の12.7%を占めた。2010年、その割合は15%近くに上昇している。
また、社会的・経済的地位の低い男性も“行き遅れ”になる可能性がある。ある社会学者はその要因を、“地位の高い男性に嫁ぐ”、“地位の低い女性を娶る”という社会観念から来る婚姻モデルから説明する。女性の多くが自分の選択で未婚を選ぶのに対し、男性は望まない未婚である。「百村性別バランス失調と社会安定調査技術報告」によると、結婚したくてもできない男性は、低文化レベルで収入が少ない西部地域に集中しているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月13日