市場構造に変化も
東芝は2月中旬、「2016年度業績の見通し」を発表し、2016年度の純損益を3900億円と予想した。うち原発事業の損失は62億8000万ドル。
ブルームバーグによると、東芝の半導体事業は同社の最も価値ある資産だ。東芝はサムスンに次ぐ世界2位のフラッシュメモリメーカーだが、米国の原発事業への投資で巨額の欠損を出したことから、同事業売却で経営立て直しを図ろうとしている。
情報によると、東芝の半導体事業の価値は約90億ドルと見積もられている。東芝は一部もしくはすべての株を手放すことで、1兆円以上の現金を手にすることができる。東芝は今月末に各社から非正式にオファーを受ける。現状を見る限り、まだ買収が有力視されている企業はない。
ソリッドステートドライブ(SSD)は将来性が高く、世界の電子メーカーがこの高利益の分野に進出しようとしている。日本経済新聞によると、東芝のNAND型フラッシュメモリ事業は特に各メーカーから注目されており、今回の買収をめぐる競争が激化することになるという。
日本国内の業界では、国内企業が東芝の事業を引き継ぐことが期待されている。また重要技術の外部流出を避けるため、中国企業からの買収を受け入れるべきではないとする声もある。
統計データによると、世界のフラッシュメモリ市場規模は340億ドルにのぼり、業界トップはサムスン、東芝、インテルなど。業界内では、東芝の半導体事業が大規模であることから、この事業を手放せば世界市場構造に大規模な再編が生じ、新たな主導者もしくは有力な競争者が誕生することになると予想されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月10日