万里の長城の最も険しく修復が最も遅れている区間で、150キロのレンガを背負った7頭のラバが、ついに再び山登りを開始した。箭扣長城は北京の市街地から北に約70キロ離れている。この山の中で長期的に長城修復プロジェクトに従事している現地のラバの飼い主、曹新華さん(音訳)は「この区間は険しく山が高いため、ラバを使いレンガを運ぶしかない」と話す。
中国の労働者はここで、数百年に渡り長城から落ちたレンガを使い、修復活動を展開している。このレンガが見つからなければ、元のレンガと完全に一致する新しいものを代わりに使用する。箭扣長城修復工事技術顧問の程永茂氏は「元の形状・材料・技術を使用することで、歴史と文化の価値をより良く留める必要がある」と述べた。雄大で険しいことで知られる箭扣長城は、17世紀前半の明朝末期に建設された。この区間の修復作業は2005年に始まり、すでに第3段階に入っているが、順調に進展していない。現地の険しい地形により大型機械を用いることができず、のみ、槌、つるはし、スコップなどの基本的な道具を使うしかない。
中国長城協会の董耀会副会長は「現時点で明長城の10分の1しか修復されていない。これまで長城修復は観光地に変えることを目的にしていたが、現在の修復と保護の目的は次の世代に残すことになっている。これは一つの進歩だ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月20日