アップルの主導した革新時代がついに終結?

アップルの主導した革新時代がついに終結?。

タグ:アップル iPhone X

発信時間:2017-09-17 09:08:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 10年にわたる革新は、アップルのナンバーワン時代を築いたが、ジョブス後のクック時代には、スマートフォンが乱戦の状況を呈する「レッドオーシャン」(激戦市場)ももたらした。13日早朝、ここ10年で「変化が最も大きい」というアップルの新製品「iPhone X」とその他4製品が発表された。だがiPhone Xの「ブラックテクノロジー」(先端技術)とされた顔認識機能をめぐる発表会での失態などもあり、アップルの株価は下落し、同日の終値は0.4%安の160.86ドルとなった。アップルの時価総額が約8300億ドルであることから計算すると、一日で33億ドル(約216億元)が「蒸発」したことになる。

 

 アップルの株価下落の原因はとても複雑だ。だがアップルがこの10年でデジタル経済を引っ張ったことは間違いない。とりわけスマートフォンの新時代は、アップルが生み出した10年にわたるレジェンドであり、革新によるリードの結果と言える。だがこの業界のボスであるアップルが革新精神を貫くことができるかには疑問符がついている。iPhone Xを例に取れば、アップル社CEOのティム・クックは「最大の飛躍」と呼んでいるが、この飛躍には技術のウェイトが足りないと言わざるを得ない。

 

 「革新」と呼ぶことができるのは、「独創」の要素を持つものだけだ。アップルができることを「小米」(シャオミ)もでき、「VIVO」(ヴィーヴォ)も「華為」(ファーウェイ)もできるというのでは「革新」にはならない。さらにフレームレスのディスプレイと顔認識は、スマートフォンの主流技術として予想されたものだ。アップルのこのような「革新」は、市場に敬意や評価を起こさせるものではなかった。消費者も、流行を追う人であれ、理性的な使用者であれ、ほかのメーカーの製品と比べてみようと思ったことだろう。

 

 アップルの新製品は、競争のための十分な強みに欠けているだけでなく、供給不足という弱みも抱えている。アップルがこれまで取ってきた「ハングリーマーケティング」(売り切れ商法)という戦略は今や、アップルが直面しなければならない欠点と化している。iPhone Xは10月27日にやっと予約受け付けを始め、11月13日になって初めて販売を開始するという。業内関係者によると、iPhone Xの一日の生産台数はまだ1万台に満たず、初期には深刻な品切れが起こる見通しだ。アップルの新モデルのスマホを持つのに、消費者は1カ月半も待たなければならない。この待ち時間は消費者にとってはイライラ、ジリジリの種となる。中国のスマートフォンメーカーはこの間に、同じような新技術を搭載した機種を発売してしまうかもしれない。

 

 アップルのここ10年のレジェンドは、スマートフォンによって作り出されたものだ。クックがジョブスを引き継いで、一見うまく行っているように見えるが、後者は前者のやり方をそのまま踏襲しているにすぎない。市場の価値から単純に見れば、クックの上げた成績はあの世のジョブスを喜ばせるに足りるものと言えるだろう。過去6年、クックが引き継いだアップルの時価総額は約4600億ドル上昇し、8300億ドルを超える水準に達している。第2位のグーグルには1500億ドル以上の差をつけている。だがクック時代の目玉は携帯電話だけで、「Apple Watch」ではほとんど成果を上げられず、ビッグデータやクラウド戦略などの面でも目立ったところはない。スマートフォンの分野では、韓国のサムスンが最大のライバルとなり、現在は、中国の多くのスマートフォンブランドがぴったりと後続している。

 

 2020年にモバイル5Gが商用時代に突入するが、アップルがほかのブランドをしのぐオリジナルの技術や革新要素を見せることができなければ、中国のスマートフォンにシェアを奪われ、アップルの主導した革新時代がついに終結するということも考えられる。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月17日


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