中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)代表、中国科学院院士、西南交通大学学術委員会主任の翟婉明氏は24日、新華社のインタビューに応じた際に「国は時速400キロの高速動車組(新型高速列車)と、時速600キロの高速リニア列車の開発任務を確定済みだ」と話した。
「時速600キロの高速リニア列車の開発、高い位置付けに」
翟氏はインタビューの中で「時速400キロ、600キロという2種類の高速列車の開発には、2つの技術が必要だ。一つ目は高速コールドレール技術の研究開発、二つ目は高速磁気浮上技術の研究開発だ。国が設定した研究開発期間は5年。中国にはすでに最高営業時速350キロの高速列車があり、時速400キロ級の列車を開発する必要性がある。しかし時速600キロ級のリニア列車は位置付けが高く、現段階では先端技術を模索する実力と条件をつけている」と話した。
中国中車公司は昨年10月21日に北京市で、国家重点研究開発計画先進レール交通重点特別プロジェクトの1期目となる3つのプログラム(「レール交通システム安全保障技術」「時速400キロ以上高速旅客輸送設備重要技術」「リニア交通システム重要技術」)を発表した。
リニア交通システム重要技術には、具体的に時速600キロの高速リニアプロジェクト、時速200キロの中速リニアプロジェクトが含まれる。
中国中車重大特別プロジェクト弁公室副主任の孫幇成氏は当時、メディアに対して「時速600キロの高速リニア列車の試作機は、2020年6月頃に公開される。2021年には高速リニア交通システム・設備の完全な自主化・産業化能力をつけることになる」と話していた。
時速400キロの列車、「一帯一路」で国際連帯運輸
時速400キロ以上の高速旅客輸送設備重要技術プロジェクトは、国際連帯運輸を長期目標としている。
中国中車によると、同プロジェクトは「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)沿線諸国の異なる軌間、電圧、気温、技術標準、信号制御による運営の需要を研究する。統一的な技術プラットフォームと異なる技術路線に基づき、時速400キロの国際連帯運輸高速列車を開発する。
時速400キロの高速列車には構造を変えられる台車があり、軌間600センチから1676センチの鉄道での運行が可能だ。列車は6両に動力を取り付ける8両編成。中車長客、中車四方、中車唐山がそれぞれ動車組を開発する。うち中車長客と中車四方が開発する列車は、氷点下50度から40度までの運行環境に適応できる。中車唐山が開発する列車は、氷点下25度から50度までの運行環境に適応できる。
中国航天科工集団公司は今年8月、時速4000キロの「高速飛行列車」の研究論証の開始を宣言した。同社は低真空環境と超音速デザインにより空気抵抗を引き下げ、磁気浮上により摩擦力を減らすことで、超音速運行を実現する予定だ。しかし同社は現在、プロジェクトの日程表を公開していない。
西南交通大学准教授の鄧自剛氏は「時速が400キロを超えれば、83%以上のけん引力が空気抵抗によって浪費される。真空チューブと高温超電導リニア列車を結びつければ、時速は3000キロに達する」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月25日