トヨタ自動車はこのほど、自動運転車の公道試験を一時停止すると発表した。Uberは先日、自動運転車が米アリゾナ州で人身事故を起こし、テスト計画の停止を発表している。
近年、多くの自動車メーカーが先進的な自動運転技術の開発に取り組むが、この技術の法制化と応用にはまだ時間がかかる。
トヨタが自動運転車の公道試験を一時停止
トヨタは米国時間20日、自動運転車の公道試験を一時停止すると発表した。同社は、アリゾナ州で発生した事故は試験車両に乗る運転手に心理的な影響を与える可能性があると説明。この期間にトヨタは時間を調整し、作業に存在する内在的リスクを知ることができる。
先週末の深夜、道路を歩いていたエレイン・ヘルツベルクさんは自動運転モードで走行していたボルボのUber自動運転車に轢かれ、病院に搬送されたが死亡した。自動運転分野で初めての死亡事故となった。アリゾナ州は自動運転車技術の開発会社を歓迎し、米国の他の州よりゆるい管理体制をとっていた。
事故発生後、ボルボは事故車両は自社のXC90だが、Uberの自動運転車テスト用車両だと説明。広報担当者のルソー・ディッツ氏は、「この自動運転技術はボルボが開発したものではない」と述べた。
アナリストは、今回の事故により自動運転システムの安全性が注目され、自動運転車の公道テストに対する懸念が高まったと話す。今回の事故で膠着状態の自動運転車の法制化は保守的になり、各国政府は自動運転技術を見直し、業界へのダメージになる可能性がある。
監督管理部門が発表したデータによると、自動運転車は数回の小さな事故しか起こしていない。その多くが、自転車が自動運転車に衝突したという事故である。
積極性がダメージ受ける
2016年から、世界の自動運転技術は急発展し、各大手企業が多額投資や連合などを通してこの潜在的市場の獲得を争っている。同年初め、nuTonomyが開発した世界初の自動運転タクシーがシンガポールの公道を走行した。その1カ月後、Uberの自動運転車が米ピッツバーグで公道を走行。その後、伝統的な自動車大手とIT大手が自動運転車分野に次々と加わった。
2017年、BMW、インテル、イスラエルのUT企業Mobileyeは約40台のBMW自動運転車の行動試験を開始すると発表。インテルとMobileyeの技術を採用するBMW7シリーズが米国と欧州で世界公道試験を開始した。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、アリゾナ州で発生した事故の調査結果は、自動運転タクシーや自動運転トラックなどの事業を進める会社にとって非常に重要だと論じた。ゼネラルモーターズ、グーグル傘下の自動運転車開発会社Waymo、配車サービス業者Lyft、フォードなどが自動運転技術を開発している。
業界関係者は、さらに重要なのは、自動運転車のテストを行う企業の積極性に影響することで、今回発生した事故により自動運転車の実用化は遅れるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年3月23日