ゲノム編集ベビー、科学の発展の前に倫理を重視せよ

ゲノム編集ベビー、科学の発展の前に倫理を重視せよ。

タグ:ゲノム編集ベビー 倫理

発信時間:2018-11-27 11:32:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 双子の「ゲノム編集ベビー」が本日、注目を集めた。第2回国際ヒトゲノム編集サミットの開幕前日、「露露」「娜娜」という名の双子のゲノム編集ベビーが11月に誕生したという情報が伝わった。ゲノム編集により、この双子は生まれつきHIV耐性を持つという。ところがこのセンセーショナルな「第一号」は、直ちに疑問視され反対された。その裏にある倫理問題に疑問が集まった。これはクローン猿やクローン羊ではなく、人間であるからだ。さらにHIV母子感染がすでに効果的に遮断できるようになっているため、このリスクを伴う研究の必要性については確認が必要という指摘もある。そのためか、深セン市衛生・計画生育委員会は、本件の倫理問題に関する調査を開始すると表明した。「人民日報」のウィチャット公式アカウントが26日に伝えた。


 ゲノム編集は疾病の治療に画期的な影響を及ぼす可能性がある。しかしこのような医学行為は人間の血統、すべての人に関わるため、倫理的なリスクを含んでいる。これは遺伝子の実験が人々の生活からかけ離れているように見えるが、注目を集めやすい理由でもある。


 科学技術の進展に直面しても、畏敬の念を持ち続けなければならない。科学の意義は常に、負の面ではなく正の面を示すことにある。人間を自滅させるのではなく、人間に役立てなければならない。これは非科学的な態度ではなく、科学を愛する態度だ。さもなければ開くのはアリババの洞窟ではなくパンドラの箱になってしまう。


 本件はAIが制御を失ったという先ほどのニュースを想起させる。スマート対話ロボットの研究で、ロボットが人間には理解できない言語を口にしたのだ。人間に対する改造の危険性は、制御を失ったロボットのように、コンセントを抜けば失われるというわけにはいかないだろう。これは人類の疾病への理解、人類社会への影響、さらには生命の本質に対する認識に関わる。この角度から見ると、人文科学は科学技術の先を行くべきであり、人文的関心は科学の内部に移るべきだ。


 多くの科学者は、21世紀が生命科学の世紀であることを認めている。『HOMO DEUS: A Brief History of Tomorrow』の著者であるユヴァル・ノア・ハラリはさらに、バイオ技術とAIの進展により、人類は100年内に「神の人」に向かい邁進すると大胆に予言した。確かに我々は現在、この時代の最も未知の話題への接近を加速している。頭部移植手術は倫理観に合致するだろうか、クローン人間はどのような権利を持つべきだろうか。その倫理と法律の問題について、人類はすでに激論を展開している。これは今日の科学がすでに実験室内に隔離されたものではなく、より深く社会と生活、人類文明の形成に参与していることを証明している。「進歩」もしくは「退歩」という単純な問題などではない。


 ゲノム編集の根本的な目的は、人の健康・幸福・利益を促進することであるべきだ。我々には人類が難病に手をこまねくことはなくなると信じる理由がある。ただしクローン問題の分析で指摘されたように、実行可能性を検証してから合理性を検証するという「やったもん勝ち」はただの無責任である。「科学の先端と倫理の崖っぷち」で技術が不適切に使用されることの結果は予測しがたく、ほんの少しの不真面目な態度も許されない。


 今回ゲノム編集を行った科学者は、遺伝子技術の次の原則を掲げた。本当に需要のある人々に配慮し、重大疾患などの特殊なケースのみに技術を使用し、子供の自主性の尊重を前提とし自由を模索し、遺伝子によって運命を決めるのではなく努力を必要とし、普遍的な健康の権利を促進する。これらの原則によって対処するのは、同技術の倫理的なリスクだ。ただ具体的な実践において、原則はいかにして誰もが遵守するルールになるのだろうか。またさまざまな原則を口実とし、倫理の限界を打破されるのをいかに防ぐべきだろうか。これはゲノム編集ベビーの誕生によって生まれた問題の一つでもある。


 当然ながら、今回の遺伝子実験が注目を浴びていることからは、人々が高尚な最先端の科学から「絶縁」されていないことが分かる。人々は単なる直感でも、自身の繁殖と発展の筋道に対して本能的な保護意識を持つ。今回の実験と結果について、科学界がいかに反応するかを見守る必要がある。しかしこの科学の倫理が広く普及することで、より多くの人が科学の討論と発展に加わるようになるだろう。これは人類の命に関わる事業であるからだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年11月27日


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