2012年、ハルビン出身の飛行愛好家の葛俊さんは彼らの「飛行計画」を知り、すぐに30万元を投資した。これらの資金のおかげで、彼らの模擬操縦室の開発は急進展し、雛形が形成された。
「やるからには大きなことをしたい」。2014年春、劉忠亮さんとチームメンバーは会社を辞め、葛俊さんと合流して「ライト兄弟」という会社を立ち上げた。
劉忠亮さんは、「1903年にライト兄弟は最初の飛行機を発明し、人類の空を飛ぶという夢を叶えた。中国の大地でも人類の歴史を切り開く飛行物語と英雄が生まれることを望んでいる。この飛行の夢の実現に賭けてみる価値はある」と話した。
「青空への距離」はどれほどか
海外生活の経験がある葛俊さんは空を飛ぶことが大好きで、プライベートジェットの操縦免許も取得した。帰国後、中国の飛行文化は海外と異なることに気がついた。飛行シミュレーション市場の規模が小さく、「飛べる場所が見つからない」ほどだった。
葛俊さんは、「飛行シミュレーターはパイロットの訓練の必需品で、多くの故障対応訓練で本物の飛行機を使用することはない。しかし、シミュレーターは精密機器に属し、市場は海外メーカーにほぼ独占され、価格は数百万元から1000万元し、一般の愛好家が手を出せる範囲ではない」と話す。
「生産コストを下げるには自主開発するしかない」と思った劉忠亮さんは、パイロットの訓練に役立つと確信した。
彼らは小さなネジから電気回路の全体に至るまで自主開発を2年以上続け、深夜1時、2時まで作業することも多かった。自身で模索するだけでなく、経験豊富な機長や教官などを「テスト飛行」に招き、問題や欠点を探し、技術の難題を1つずつクリアし、生産工程を改善していった。