「行きは青い山と緑の水、帰りは緑の水と青い山」
12月25日、杭州・南昌高速鉄道の杭州・黄山間(杭黄高速鉄道)が開通した。全長265キロメートルのこの鉄道は「人間界の楽園」と「仙境」を実現しただけでなく、中国鉄道総公司によって生態鉄道模範プロジェクトとして全面的に推し進められた。
高速鉄道の着工前、技術者は実地調査、測量、プラン設定を繰り返し行い、都市計画と技術要求を満たすとともに土地資源とプロジェクト投資を節約できる方法を最終決定する。
中国鉄建鉄四院杭黄高速鉄道の許国平チーフエンジニアによると、杭黄高速鉄道の調査作業は2009年に始まったが、着工したのは2014年9月だった。6年近くかけて最適な方法を模索したという。
杭黄高速鉄道の沿線には西湖、西渓湿地、千島湖、績渓龍川、古徽州文化観光区、黄山、西逓宏村の7カ所の5A級景勝地、50カ所以上の4A級景勝地、10カ所以上の国家級森林公園がある。鉄道の建設において環境を極力保護すると同時に、これらの景勝地を最大限に繋げる必要もあった。
鉄四院杭黄高速鉄道の全体設計責任者の張必武氏によると、杭黄高速鉄道は1本の直線ではなく、「之」の形をしている。「このような設計にしたのは千島湖エリアに配慮したためで、鉄道は長くなったが、このエリアにとっては良い」と張必武氏は話した。
また張必武氏は、「千島湖エリアを通るため、富春江、新安江、千島湖にも行くことができ、観光への貢献は非常に大きい。名城(杭州)、名湖(西湖、千島湖)、名江(富春江、新安江)、名山(黄山)を1本に繋いだ世界クラスの黄金観光ルートになった」と述べた。
「四季の常緑、三季の花、高木の結合、高低差」という緑化原則に基づき、杭黄高速鉄道は緑化効果と周辺風景の融合を実現し、トンネルの出入口に緑の「一洞一景」を形成し、緑化カバー率は同類プロジェクトの中でトップを誇る。
中国鉄道総公司の責任者によると、杭黄高速鉄道の建設において、鉄道部門と地方政府は「緑水青山は金山銀山」という生態発展理念を徹底し、全線の緑化と沿線の青山緑水を融合させ、省エネに重視し、科学技術イノベーションに尽力し、美しく目で見て楽しめるハイレベルの緑の景観回廊を形成した。
国家一級水系の千島湖を保護するため、鉄四院と建設会社は「緑の波」の上を通る杭黄高速鉄道の進賢渓大橋に「清水穴」工法を用い、泥の排出を根本から絶ち、水中基台に高さのあるフーチングを用い、水中に掘る穴を減らし、千島湖の青山緑水を保護した。
浦陽江特大橋は全線で最大スパン、最長の特大橋。泥が滲み出ないようにするため、中鉄二十四局集団は100億元超を投じて標準的な水上桟橋を架設し、周囲に衝突防止パイプを設置し、水中土台設置作業で発生した約13万5000立方メートルの泥を薄膜の袋で回収して汚水の排出を防止した。
張必武氏は、「中国の鉄道の発展は単純に技術を追求し、規模だけを拡大してはならず、自然、人文と歴史を尊重し、人と自然の調和に重視する必要がある」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年12月25日