29年前にすでに有名だったロバート・クーン氏は「銀行投資家」として中国を初めて訪れ、中国の研究機関にコンサルティングを提供した。クーン氏は一度の訪中でこの希望あふれる大地を愛するようになった。「初めての訪中で私は魅了された。中国人には活き活きとした熱意がある。彼らは勉強熱心で、生活を改善しようとする……当時の私は、中国が自分にとってどれほど重要であるか意識していなかった」
クーン氏は2000年に米国の企業を手放し、中国を研究し中国を語ることに専念し始めた。「今まで約200回訪中し、100以上の都市を訪問した。毎回平均で3週間ほど滞在し、1年のうち3分の1以上を中国で過ごしている」真の中国を理解するため、彼はすべてのチャンスをつかみ高官、学者、農家、学生、科学者、党員幹部などと交流している。
クーン氏によると、彼は主に次の2つの手段により中国を紹介する。まずは大手国際メディアから中国に関連する問題についてインタビューを受ける。次に中国をテーマとする深い内容のテレビ番組とドキュメンタリーを撮影する。第19回党大会以降、クーン氏はインタビューを約50回受けており、うち30回以上がCNNやBBCの番組内で放送された。
彼は中国のテレビ局と毎週放送のインタビュー番組『走近中国(中国にアプローチ)』を共同制作した。200人以上の高官や専門家との対話を通じ、世界に現代中国の各方面を紹介した。クーン氏が制作に参加したドキュメンタリー「中国面臨的挑戦(中国が直面している試練)」(シーズン2)は2016年、米国のテレビ業界で最高の栄誉であるエミー賞を受賞した。
クーン氏は、海外の中国に対する認識は、多くの場合実情から外れていると考えている。「海外メディアの報道は通常、中国の問題に関する報道が8−9割を占める印象を与える。しかし実際に問題が占める割合は10−15%のみだ。貧困支援などの中国に関する圧倒的多数の積極的な情報は、海外から正しく理解されていない」世界が真の中国をより良く理解できるようにするため、クーン氏は現場の情報をできる限り多く把握しようとしている。クーン氏はかつて青海省で「張り込み」を行い、現地の医療改革試行及び上海と協力し開発した遠隔医療の状況を観察した。クーン氏は上海のAI及びロボット企業を視察し、中国の科学技術の進歩に対する世界の一部の人の誤解を解消した。クーン氏は長江経済ベルトの発展の歩みを振り返り、農村振興戦略の具体的な実施状況を研究した。
クーン氏の現在の研究で中心になっているのは、中国の正確な貧困支援の実践だ。これをテーマとするドキュメンタリーを制作するため、クーン氏はバイクに乗り山間部の過疎地を取材し、貴州省の農村の集団引っ越しを観察し、山西省五級党組織責任者(省・市・県・郷・村)の貧困支援の実践を分析した。クーン氏は、習近平主席の「私は40数年に渡り中国の県・市・省・中央で仕事をしているが、貧困支援は終始、私の仕事の重要な内容であり、最も精力を注いでいる」という発言が印象的だと話した。
クーン氏は中国改革友誼勲章を授与されたが、これは個人に授与されたものではなく、中国の国際交流への重視を示すと考えている。「未来の歴史学者が私たちの時代を振り返る時に、その注目点は必然的に中国の改革開放になる。世界で人口が最多の国が未曾有の変革を経験した」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月5日