プログラマーが「996勤務制度」に反発、残業文化の見直しを迫る

プログラマーが「996勤務制度」に反発、残業文化の見直しを迫る。

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発信時間:2019-04-14 09:45:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 このほど「996勤務制度」が再び注目を集めている。プログラマーの間で有名なソフトウェア開発プラットフォームのGitHubにて、「996.ICU」というプロジェクトが立ち上げられた。これは996制度では病気になりICU(集中治療室)に運ばれるという意味だ。996とは午前9時から午後9時まで働き、毎週の勤務時間は6日という、多くの企業のプログラマーの勤務状況のことだ。同プロジェクトは多くのプログラマーの反響を呼んだ。


 「996勤務制度」の具体的な出処については不明だが、IT業界全体の暗黙のルールのようになっている。人々はIT業界を高給取りの代名詞としがちだが、996勤務制度はその輝かしい一面の裏の姿を示している。


 IT業界は更新が速く、サービスが途切れないという特徴を持つ。これは確かに一般的な意義の「8時間勤務制度」と客観的に矛盾している。996制度の蔓延は、IT業界が迎えている新たな発展の時期と強く関係しており、経済的な法則に支えられている。これはIT業界の残業を見る時に、理性的に認識すべき現実だ。


 ただし業界の特殊性を認めることは、残業にも一理ありと認めることを意味しない。まず、サービス残業を強いることは違法の疑いがあり、IT業界も例外ではない。次に、996制度は企業文化、プロ精神、やりがいといった言葉で包装されており、知らぬ間に一種の病的な「残業文化」を強めている。これには一定の外的性質があり、より警戒が必要だ。


 実際にはさまざまな報告を見ると、残業は現在の社会において普遍的であり、IT業界は特別な例ではない。労働力を費やすことで企業や社会の効率を高めるわけであるが、効率を重視する一方でその裏側にある社会のコストを見落としている。従業員の健康、休息の権利、さらには社会の低活力と高コストといった問題がある。


 企業は従業員の残業に過度に依存することで、管理面の改善の動力を失いかねない。今回プログラマーが集団で996勤務制度に反対したことは、一部企業の管理・経営モデルがまだ人件費高騰の現実に追いついていないことを反映している。これは企業の長期的な発展にとって良いこととは言えない。


 プログラマーの反発の裏には、社会の残業や激務などの観念に対する認識の更新がある。全国総工会が実施した第8回全国従業員状況調査によると、労働関係の主体及びその利益のニーズが多元化しており、一部の従業員の考え方には3つの変化がある。すなわち権利の主張が受動から能動に変わり、生存を求める権益が発展を求める権益に変わり、物を求める権益が精神を求める権益、民主的な権利に変わっている。先ほど「若者は工場で働くぐらいならば出前を届ける方がましと考える」が話題になったが、これも若者が仕事の自由度、仕事と生活のバランスに対してより多くのニーズを持つようになったことを反映している。


 労働者の権益状況の改善は、現代社会の進歩を示す重要な指標だ。個人の勤務・生活・休暇の状態も、社会の人中心の度合いを図る重要な側面だ。残業を奨励し、やりがいなどを常態的な「過労」と結びつけ、若者を搾取する勤務制度と社会の文化は、人中心の意義から大きく外れている。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年4月14日

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