中国の2カ所が世界ジオパークに認定 世界最多の39カ所に

中国の2カ所が世界ジオパークに認定 世界最多の39カ所に。中国は世界的に見て地質遺跡資源が豊富にあり、分布地域が広く、種類の揃った数少ない国の1つで、千差万別の地形を有する…

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発信時間:2019-04-30 13:46:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国は世界的に見て地質遺跡資源が豊富にあり、分布地域が広く、種類の揃った数少ない国の1つで、千差万別の地形を有する。うち、地質資源である地質公園は地球の激しい変化を記録し、中国の地質遺跡の保護と発展を証明し、国内で最も貴重な地球の痕跡を残している。

 

 中国政府は安徽省の九華山と山東省の沂蒙山地質公園の世界ジオパークネットワーク(GGN)への加盟に成功した。フランス・パりで開かれたユネスコ第206回執行委員会で認定された。また委員会は、中国の泰山、三清山、伏牛山世界地質公園の拡張申請も認可した。これにより、中国にある世界ジオパークの数は世界最多の39カ所になった。

 

① 地質と文化の融合発展

 

 九華山地質公園は安徽省池州市にあり、面積は139.7平方キロメートル。園内に3カ所の世界クラス地質遺跡があり、花崗岩複層岩体などの遺跡はユーラシア・太平洋プレートの衝突時期のマグマ活動と構造活動を表している。また、園の深林カバー率は90%に達し、生態資源が豊富で、1460種以上の植物と216種の貴重な野生動物が生息している。

 

 九華山は自然によってできた地質名山というだけでなく、文化名山でもある。中国の「仏教4大名山」の1つである九華山には古寺が林立し、文物遺跡が多くある。麓から山頂にかけて、99軒の古寺が山中にあり、1万体以上の仏像が立っている。山中の書院、書堂遺跡は20カ所に上り、唐代の貝葉経、清の康熙帝と乾隆帝の墨跡など2000点以上の貴重な文物を収蔵している。独特な地質条件、優れた生態環境は1000年以上の歴史を有する宗教景観とコミュニティ文化遺産を融合させ、九華山地質公園を世界的な地質・文化融合モデル地にした。

 

 世界ジオパークに認定されたもう一つの地質公園、沂蒙山地質公園も独特な自然景観と文化風貌を有する。

 

 沂蒙山地質公園は山東省臨沂市にあり、面積は1804.76平方キロメートル。28億年前の古い地層の泰山岩群と針状のコマチアイトのほか、中国で最も早く発見されたキンバリー岩型金剛石の原生鉱もある。岱崮地形の命名地、集中発育地でもあり、険しく、独特な形をしており、壮観である。遠くを眺めると山が空に伸び、雲海が山を覆い、渓流が勢いよく流れ、魅力が溢れる。中華文明の発祥地、東夷文化の中心である沂蒙山地質公園は道教、仏教、儒教を一体としている、有名な革命地であり、孟良崮戦役の歴史的痕跡も残っている。

 

② 保護と開発を同時進行

 

 国家林業・草原局の黄採芸報道官は、世界ジオパークは地質科学の特殊な意義、希少な自然属性、優雅な観賞価値、一定規模と分布範囲を持つ地質遺跡だと紹介した。一種の資源利用手段として、世界ジオパークは地質遺跡と生態環境の保護、科学研究と知識の普及、国際交流と全民素養向上などの面で総合的な役割を発揮し、生態文明の建設と地方文化の伝承に貢献している。

 

 世界で最も早く国家地質公園の建設を計画した中国は、公園の数が最多であるだけでなく、近年増加が最も早い国でもある。2000年、元国土資源部は「国家地質公園計画」を始動した。2004年に北京で第1回世界ジオパーク大会を開催、2015年に中国はユネスコの国際地質科学ジオパーク計画(IGGP)に積極的に参与し、自然人文景観の保護の道を歩み続け、大国のイメージを示している。

 

 2013年、九華山と沂蒙山は世界ジオパークへの認定申請作業を開始した。ユネスコ世界ジオパークの申請手引きによると、世界ジオパークに認定されるには大規模な珍しい地形、高効率の運営管理などの条件を満たしている必要があり、世界ジオパークネットワークの加盟条件はさらに厳しい。

 

 手引きは、「世界ジオパークは重要な地質の特徴を保護する十分な措置をとっていること」としている。九華山と沂蒙山は申請準備で「保護しながら開発、開発しながら保護」という理念を堅持し、科学開発利用しながら生態資源を保護した。2018年8月、九華山と沂蒙山はユネスコの世界ジオパーク評価専門家の審査を受け、最終的に国連の専門家チームから高く評価された。

 

 沂蒙山世界地質公園蒙山観光レジャー区管理委員会の解東主任は、沂蒙山世界地質公園を一般から愛される科学普及パーク、地質学生態観光モデル基地にする作業を進めると明かした。

 

③ 地質遺跡を「活性化」

 

 4月20日、2019年世界アースデイ第3回「最も美しい地球の痕跡」地質公園映像巡回展シリーズ活動の開幕式が北京中国地質科学院京区基地で行われた。近年、このような活動が多く行われ、世界ジオパークの建設に効果をもたらしている。

 

 3月14日、貴州省にある織金洞世界地質公園に織金県の思源実験学校から100人の教員と生徒が訪れた。

 

 思源実験学校の劉祥艶教員は、「地質科学普及教育を行うことで、子供たちは自主的に探究、学習できる」と話す。織金洞地質博物館で、生徒らは鍾乳石の形成過程、織金風貌、民族風情などを学び、織金洞世界地質公園の世界カルスト史における価値とイ族文化の独特な魅力を感じた。全国各地も同様の地学観光を展開し、これは地質遺跡の保護と発展の重要な手段になるだけでなく、文化景観の形成、地質遺跡の「活性化」にもつながる。

 

 地質公園は観光を発展させ、経済成長を促し、人民の生活レベルを向上させる。全国政協委員で中国地質大学(北京)副校長の王訓練氏は、地質公園は的確な貧困支援の最も効果的な方法の1つだと話す。

 

 福建省の福鼎市赤渓村は寧徳世界地質公園太姥山園区にあり、30年以上前に極度な貧困状態だったため「中国貧困支援第一村」と称される。近年、世界ジオパークの影響を受け、村民と村落は観光による貧困支援の成果を享受している。

 

 「開花期にはツアー客だけで2000組以上の食事の予約が入り、手が回らないほど」と、アグリテイメント施設を経営する呉樹燦さんは嬉しそうに話す。寧徳世界地質公園で桃の花が咲く時期、60万人以上の観光客がここを利用する。村民は、2017年から世界ジオパーク関連の観光産業に後押しされ、村は貧困脱却の道を歩み始めたと振り返る。

 

 同年の全市のアグリテイメント施設の直接的従事者は2万人、間接的従事者は19万3600人で、農民の増収への寄与は4億4000万元に達した。

 

 四川省は地質公園の建設と観光地学研究活動に最も早く着手した省の1つである。四川省地鉱局物理探査隊の李忠東氏は、「地質公園の宣伝を強化し、より多くの人を地質観光に取り込みたい。地質公園の建設は人と自然の調和の取れた発展を強調し、地元住民の経済活動を排斥せず、公園の生態と地域経済を協調的に発展させ、現地の生活レベルの向上を促す」と話した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年4月30日


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