日本に現象クラスのIT企業がない理由とは

日本に現象クラスのIT企業がない理由とは。IT業界の現象クラスの企業といえば、中国はBAT(百度、アリババ、テンセント)、米国はGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)だが、日本はどうか…

タグ:日本 現象クラス IT企業

発信時間:2019-05-10 13:56:29 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 IT業界の現象クラスの企業といえば、中国はBAT(百度、アリババ、テンセント)、米国はGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)だが、日本はどうか。ソニー、パナソニック、日立などの伝統ある電子機器メーカーは思いつくが、サービスを特徴とするインターネット企業はなく、日本が誇る製造業、例えば携帯電話などのモバイル通信機器産業においても、日本企業は負けている。その理由は何か。

 

 新産業の形成には多くの条件が必要で、その中で冒険精神は重要な条件と言える。中国のIT業は世紀が育んだ若者に頼って開拓された部分が大きい。しかし、日本経済は一定の順序に従い、年功序列制という伝統がある。企業内部で、新しい思想を持つ若者は従うしかなく、社会においては、冒険心のある「がむしゃらな人」は常軌を逸し道理に背いているとされ、排斥されることが多い。例えば、ライブドアはかつて名前が世間に知れ渡り、勢いのあったインターネット企業だったが、堀江貴文社長の独立独歩により、日本のビジネス界のリーダーから攻撃、排斥された。堀江貴文氏が刑務所に入ってから、ライブドアは衰退した。

 

 三菱、パナソニック、ソニー、日立などの伝統ある電子企業は、人力、物力、財力のどれを見ても現象クラスのIT企業になる実力を持つが、そうはならず、ここ数年は状況がますます悪化し、勢いのあったシャープも中国台湾の鴻海集団に売却された。これは実は「経路依存性」によるものである。日本の電子企業が世界の「トップ」に立ったのは極めて成功したためだが、既存の道を歩み続け、外部の変化に目を向けず、世界範囲で新興産業が台頭しているのに気づいたときにはすでに遅かった、日本だけでなく、他国にも同じようなケースはある。中でも有名なのは、かつて「携帯電話分野の王者」だったノキアである。同社は成功しすぎたためにスマホの発展に素早く対応できず、アップルやグーグルなどの新鋭に打ち負かされた。

 

 冒険心とイノベーション精神の欠乏は日本文化が元来から持つ保守性によるものだけでなく、日本の人口構造の高齢化によるものでもある。日本の15~60歳の労働適齢人口は1993年のピーク時から減少し続け、高齢者人口の増加は社会を開拓ではなく保守的にさせた。どの業界も初期段階は参考にできるやり方がないため、試行錯誤する必要がある。これは既存の枠組みを突破し鋭意進取する上で重要だが、日本社会の一定の順序に従う、保守化という伝統は「野心」の欠乏につながった。アリババが成功したのは、技術イノベーションとビジネスモデルの改革を絶えず行ったためで、企業のこのような向上も、実は社会全体の活気に支えられている。

 

 もう1つの大きな原因は消費者にある。消費者に新しい技術とビジネスモデルを受け入れる気がなければ、IT企業の成長に必要な環境も整わない。消費者サイドにも、日本には深刻な「経路依存性」が存在し、一度その物と方法を受け入れ、気に入ると簡単に手放さないという傾向がある。例えば、ネット通販の誕生は日本で早かったが、実店舗で買い物したいという人が多い。さらに、日本の機能性携帯電話も優れており、2013年にようやくスマホ使用者が機能性携帯電話使用者を上回った。このとき、中国ではとっくにスマホが普及していた。消費者が新しいものに鈍感という点は、IT企業の難度を大幅に高めた。

 

 中国と米国にそれほど多くの現象クラスのIT企業が誕生したのは、市場規模とも大きく関係している。米国が世界資源の集中地であることは言うまでもなく、中国の大手IT企業の誕生も約14億人の人口を抱える巨大市場と切り離すことができない。巨大市場は企業の消費者ニーズを満たす商品とサービスの開発を促す。日本の人口は中国と桁が違い、米国とも大きな差がある。さらに、高齢化により内需が萎縮し、多くの企業がグローバル化を強いられると同時に、新興産業の成長環境も悪化している。

 

 日本はBATやGAFAのような企業がない背景について、模索、またはすでに成功した人と業界は参考にする価値がある。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月10日


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