前回の世界金融危機の勃発後、米連邦準備制度理事会(FRB)前会長でオバマ政権の大統領経済回復諮問委員会委員長を務めたポール・ボルカー氏は、「現金自動預払機(ATM)は人類社会を改善した最後の金融イノベーション」だと述べた。その10年後、ATMの利用は減少しつつある。ブルームバーグは21日、多くの銀行が支店を閉鎖しデジタル決済業務に移行し、2018年の全世界のATM台数は初めて減少したと伝えた。
記事によると、世界5大ATM市場のうち4つの市場(中国、米国、日本、ブラジル)での減少が2018年の世界ATM台数の前年比1%減に繋がった。5番目に大きい市場のインドの増加幅も大幅に縮小した。最近では多くの銀行の顧客が携帯電話で日常の金融サービスを行っている。2018年、米最大手のJPモルガンは支店を2%削減。その結果、同行のデジタル業務のアクティブユーザーは5%増加、モバイルアクティブユーザーは11%増加した。バンク・オブ・アメリカは2012年にATMの数を減らし、JPモルガンは2015年に同様の行動に出た。
世界のATM台数が昨年のような減少を続けるとは限らない。インクルーシブファイナンスは、アジア太平洋、中東、アフリカ、ラテンアメリカなどの発展途上市場でATM増設を引き続き推進することを提唱した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月23日