カロリー制限(食事制限)によるアンチエイジングは多くの生物によって効果的であることが証明されているが、具体的な分子メカニズムについては不明だった。学術誌『セル』に掲載された中国人学者の研究によると、老化細胞の過半数、老化遺伝子の4分の1が「腹七分」によって逆転するという。
中国科学院動物研究所の劉光慧氏の研究チーム、曲静氏の研究チーム、中国科学院ゲノム研究所の張維綺氏の研究チーム、米ソーク研究所などの研究チームは実験で、マウスを「好きに食べられる若い組」「好きに食べられる年老いた組」「食事制限する年老いた組」の3組に分けた。後者については中年期より、マウスの「腹七分」(好きに食べた場合の70%のカロリー摂取法)の干渉を9カ月続けた。論文の筆頭著者の一人、中国科学院動物研究所研究員の曲静氏は科技日報の記者に、「これは人が中年(約40−45歳)から食事制限を開始し、70歳まで続けたことに相当する」と述べた。
科学者によると、炎症誘導性細胞の増加分の過半数が食事制限で抑制される。炎症関連の遺伝子発現の変化のうち4分の1が食事制限で逆転する。食事制限により老齢細胞の過度な情報伝達を抑制できる。
情報によると、この研究は中国科学院動物研究所、中国科学院生物物理研究所などの各機関の協力で完了した。また国家科学技術部、国家自然科学基金委員会、中国科学院、北京市などの資金援助を受けた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月11日