雲岡の美しさは歴史と現在においてはるか遠くから相呼応している。雁北地区は広大な大地が広がり、新芽が土を破り、温かい風がそよそよと吹く場所である。霊岩寺の隣の人工湖に氷がまだ残り、鳥が戯れ、曇曜広場は広々とし静かで、礼仏大道もひっそりとしている。
山西省大同市市民の姚捷さんと趙旭さんは、目の前の風景をカメラに収めた。彼らは雲岡景勝地が営業を再開し、最初に入場した2人である。「以前にも来たことがあるが、人が多かった。今回は全く違う雰囲気」と姚捷さんは話した。
消毒、防護、科学的分流が各地景勝地の「基準」に
連日にわたり、全国の多くの観光スポットが営業を開始している。1カ月以上休業していた景勝地の準備は整ったのだろうか。
「降車し、実名を記入し、体温測定を行なってください」。雲岡石窟の入り口で、スタッフが仮設した検査所で観光客の情報を記録する。遊覧の注意事項が繰り返し放送され、観光客に「マスクを着用し、密集せず、痰を吐かないように」と呼びかけている。3月1日、雲岡石窟が営業を開始し、130人の観光客を迎え入れた。
雲岡石窟研究院の盧継文副院長によると、雲岡石窟管理部門は早くから準備に取りかかり、実際に合わせて細かいサービス手順を決め、営業再開に向けた作業プランとマニュアルを作成し、スタッフの防疫安全接客教育を行い、安全に運営できるようにした。
雲岡観光区管理委員会副主任で雲岡石窟研究院副院長の何建国氏は、「景勝地はツアー客を受け入れず、パビリオンもしばらく開放しない」と述べた。観光客を分散させても、「無接触」を極力維持するという。観光客は現場でQRコードをスキャンして無接触式でチケット購入し、マスクを着用し、『観光客状況登記表』に記入し、体温測定で異常がないと確認できてから入場できる。また、観光案内はセルフ音声解説を採用し、車両は間隔を空けて停め、電動遊覧車も間隔を空けて座る。
営業再開後、山西省南東部にある皇城相府も券売所や観光客サービスセンターなどの公共エリアおよび施設を1日3回消毒し、各観光スポットに体温測定所と臨時隔離所を設置し、時間と間隔を開けて入園する。一度に入園する人数を30人以内に抑え、分散式遊覧を実施している。初日の入園者数は93人だった。
1000キロ以上離れた安徽省でも、1カ月休業していた天柱山が2月24日に営業を再開し、初日に215人が訪れた。
天柱山観光客センターの余嵐副主任はここで勤務して19年になる。営業再開後、彼女は以前より忙しくなった。消毒と防護作業など、以前より仕事が増えたという。開園後、設備の点検、体温測定、消毒は余嵐さんが出勤して最初に行う3つの仕事である。山を登る必要はないが、彼女の携帯電話の万歩計は1日で1万歩を超えている。「観光客は多くないが、営業を再開し、久々に活気が見られる」と余嵐さんは話す。
観光客の密集を避け、新たなリスクを生まないようにするため、文化観光部資源開発司は『観光景勝地再開放感染予防抑制措置指針』を発行し、景勝地に再開放において「一刀両断」を行わないよう要求し、感染高リスク地区の景勝地は開放を一時見合わせ、中・低レベル地区の景勝地の開放は現地の党委員会が決定するとした。また、入場券の予約、スマート誘導などの手段を有効的にとり、観光客を科学的に分散させ、観光客の移動管理を徹底するよう求めた。