クルーズ船「コスタ・セレーナ」、乗客が当時の経験を語る

クルーズ船「コスタ・セレーナ」、乗客が当時の経験を語る。一日三食、違った美味しい料理を作っている。感染症により珍しく時間ができたため、夫や娘と日差しを浴び、生活の雰囲気を味わっている…

タグ:クルーズ船 天津 条約

発信時間:2020-03-16 15:06:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 ふと外から「開けてください」という声が聞こえた。私がドアを開き通路の奥に目を向けると、フル装備の医療従事者2人がドアをノックしているところだった。


 全身防護服の人を実生活で目にしたのは初めてで、映画のシーンのようだと感じた。私は呆然とし、再びドアを閉めて待った。


 少したつと、ノックが聞こえた。全身防護服の人が私の前に立っていた。彼らは穏やかに話し、体温測定を終えると私たちの最近の旅行・宿泊先、接触者について詳細に質問した。検査を終えると「ご協力ありがとうございました」と言い、静かにドアを閉めて出ていった。


 少したつと、別の部屋の人が先ほどヘリが来たと話をするのが聞こえた。人々は「税関は発熱者の検体を採取し、ヘリで送った」と話していた。


 船内で間に合わせの昼食を取ると、私たちはまた部屋に戻り待機した。船内の大半の乗客は表面的に落ち着きを保っていた。誰かが感染していれば全員が隔離を受けることは、口にしなくてもみな分かっていることだった。


 私たちの部屋には窓がなく、長くいると息苦しかった。私はもう心の中で、船が隔離された場合いつになれば帰れるだろうかと、最悪のことを想定していた。


 そう考えるとまた後悔した。クルーズ船を予約した時、お金を節約するため窓とベランダのない部屋を選んだが、そうするべきではなかったと。


 恐れ、焦り、後悔、やるせなさ、圧迫感など、複雑な気持ちで一杯になった。今後どうなるか分からなかった。


 その後友人から、甲板ならば弱いが電波が届くと聞いた。私は厚めの服を着て甲板に上がり、家族に電話をかけた。

 

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