五輪が延期になった日本の観光業も戸惑いを見せている。4月12日、日本政府は7都道府県を対象に緊急事態宣言を発表した。その週末、日本各地で人の往来が70%以上減った。京都府知事は、市内の有名な寺院が庭園などを訪れないよう観光客に促した。
東京及びその周辺の県では、3月28日から不要不急の外出自粛を呼び掛けている。人通りの多い東京の銀座も珍しく静まり返っている。東京都は上野公園などで集まって花見をしないよう呼び掛けている。小池百合子都知事は「桜の季節に日本人に花見をさせないのは、イタリア人にハグさせないようなもの」と話す。
朝鮮は新型コロナウイルスの感染者を報告していない世界4カ国のうちの一つだ。フォーブス誌は「朝鮮は中国からの観光客が最も多いが、1月下旬以降、中国の海外旅行ツアーは途切れたままで、朝鮮の観光業も打撃を受けている」と報じた。
世界各地の博物館も臨時閉館を余儀なくされている。ゴッホの名作『ひまわり』が展示されているロンドンナショナルギャラリーは初めて観客のいない週末を迎えた。ロシアのエルミタージュ美術館、北京の故宮博物館はいずれもかたく門を閉ざしている。
インドは3月17日にタージマハルを閉鎖。これは1971年以来初めてのことで、この世界的に有名な観光地には2018年国内外から650万人の観光客が訪れた。コロナ禍はインドの観光業全体に影響を与えている。これはその一端に過ぎない。
インドの情報サイトIndiaspendはKPMGの報告を引用し、インドの観光業やホテル業界では現在約3800万人が仕事の機会を失われていると報じた。
経済改革センター(CORE)の所長で経済学者のMohammad Faisal氏は「大流行がいつ完全に終息するかわからないため自然災害よりも深刻」とCOVID-19の影響について指摘する。
インドの主な観光客は中国、マレーシア、シンガポール、オーストラリアからで、2月にはその入国者数が中国大陸部だけで93.5%も減った。
新型ウイルスの感染拡大への懸念からネパールもエベレストのルートを閉鎖した。普段は世界最高峰を目指す探検家らが行き来するルクラの空港も静まり返っている。
エジプトも博物館や考古遺跡を閉鎖した。ギザのピラミッド周辺を作業員が消毒し、メンテナンスと改修が行われている。
世界観光機関(WTO)の予測では、2020年世界の海外旅行客数は20-30%減少し、観光収入は3000-4500億ドル減で、1兆5000億ドルだった2019年の3分の1になる見通し。
WTOまた、2009年は世界的な経済危機の影響で、海外旅行者数は4%減だったが、SARSが爆発した2003年は0.4%の減少にとどまったと指摘。
4月6日、WTOは公式サイトで「STAY HOME TODAY, #TRAVEL TOMORROW」と呼びかけた。今やこのスローガンはコロナ禍の共通のテーマとなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月16日