3人目を認めるべきではないかという声を受け、多くのネットユーザーは「出産にかかる費用は工面できるが、育てる費用は工面できない」とコメントしている。住宅、教育、医療などの直接的なコストが上がっている。一人っ子同士の夫婦の「4・2・1」という世帯構造による介護負担が拡大している。これらは出産可能年齢の夫婦による出産の意欲の妨げになっている。他にも多くの女性ネットユーザーは、女性の労働参加率は現在高いが、職場での権益の保障が不十分であり、出産の機会費用が拡大したと考えている。
復旦大学社会発展・公共政策学院人口研究所の彭希哲教授も同じ観点を持っており、3人目の許可には「大きな意義がない」という。彭氏は「3人目を認めても、作りたくない人は作りたがらない」と述べ、次のように続けた。
労働力、資本、技術の向上と人口の数を結びつけることは、工業化の時代には一定の合理性があった。現在の情報化時代では、人工知能、ビッグデータ、IoTなどの新技術が次々と誕生し、人口増と経済発展の間の関係を変えつつある。将来的に、社会の労働力への需要が減少を続ける。そのため人口減が経済にもたらす深刻な悪影響を過度に懸念する必要はない。
高齢化問題の対応で重要になるのは、単一的な人口政策と人口の数そのものばかりに焦点を絞るのではなく、出産政策と関連するその他の社会政策の進歩を早めることだ。例えば託児サービスの供給を拡大し、女性の職場での権益保障を改善し、養老金制度の改革に取り組むなどだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年10月29日