1991年4月15日、オーストラリア王立委員会は原住民の拘留期間中の死亡に関する調査報告を提出した。報告は、原住民の拘留期間中の死亡は同国の法体制における重大問題になっているとした。
イギリスのガーディアン紙は最新データを引用し、30年で少なくとも474人の原住民が拘留期間中に死亡し、ここ1カ月だけで5人が死亡していると伝えた。
オーストラリア犯罪学研究所の統計によると、2018~19年、原住民とトレス海峡島民はオーストラリアの人口の3.3%を占めるが、刑務所服役者数の28%、服役中の死者数の18%を占めた。同年、同委員会は、原住民の拘留期間中の死亡率は非原住民の死亡率の6倍以上だと算出した。
そのほか、ガーディアン紙は、原住民が不公平な扱いを受けていることを示す一連のデータも明らかにした。
拘留期間中に死亡した原住民は、犯罪で告訴されていない可能性もある。審判待ち、保護観察、逮捕または追跡中に死亡した案件は54%を占め、非原住民の拘留期間中の死亡件数の45%を占める。
非原住民と比べて、拘留期間中に死亡した原住民が必要な医療看護を受けられなかったケースは3倍に上る可能性がある。
原住民死亡案件のうち43%が留置所や刑務所、病院などの機関で全ての手順が守られず、非原住民死亡案件に占めるこの割合は19%となっている。