「アムールトラが人を襲撃」「アムールトラが車の窓を破壊」ある野生のアムールトラが23日、黒竜江省密山市の村に乱入したという情報が、人々から注目を集めた。このアムールトラはすでに、中国横道河子猫科動物飼育・繁殖センターに輸送された。
黒竜江省や吉林省ではこの半年に渡り、野生のアムールトラの痕跡が何度も確認されている。アムールトラはなぜ頻繁に山を下りるのだろうか。
黒竜江省林業科学院野生動物研究所絶滅危惧野生動物保護研究室の周紹春主任によると、密山市はアムールトラ国家公園保護区の範囲内にない。密山市で23日に野生のアムールトラが出没したが、これはその活動範囲が広がったことを意味する。中国のアムールトラは現在数が増え続けており、活動範囲が広がっている。各地でアムールトラが頻繁に出没しているが、これは東北地区の生態環境の好転を示している。
情報によると、天然林の商業目的の伐採の停止、森林率の上昇はアムールトラの生存に重要な保障を提供した。黒竜江省は第13次五カ年期間中(2016-20年)に38万8000ヘクタールの森林を作り、349万2000ヘクタールの森林を育んだ。森林率は47.3%に上がり、森林の蓄積が22億4000万立方メートル増えた。
アムールトラ・ヒョウ国家公園の設立は、中国のアムールトラ保護が新たな段階に入ったことを意味する。アムールトラ国家公園が提供したデータによると、アムールトラ・ヒョウ国家公園内では野生のアムールトラが少なくとも27頭、アムールヒョウが42頭生息している。2017-19年だけでも新たに誕生したアムールトラの子が10頭、アムールヒョウの子が7頭観測された。
黒竜江省野生動物保護主管部門は近年、巡視員による野外巡回保護や観測力の拡大といった各種措置を講じ、野生動物の保護を強化している。イノシシやノロジカなどの数が回復し、野生のアムールトラの食物連鎖が保たれている。
トラ出没、人はどうするか?