変異ウイルス「デルタ株」は国内で拡散している主なウイルスで、その伝染力の強さは人々の認識を塗り替えた。統計によると、世界120以上の国と地域でデルタ株が発見されている。韓国『東亜日報』は3日、韓国でこのほど、デルタ株の変異型「デルタプラス」が初めて検出されたと報じた。
韓国メディアの報道によると、韓国中央防疫対策本部は3日、同日に国内で2人の「デルタプラス型」感染者が報告されたと発表した。うち1人は海外からの進入。記事によると、「デルタプラス型」はデルタ型と同様に伝染力が非常に強いだけでなく、薬剤耐性を持ち、ワクチンの効果を低下させる。デルタ型は韓国国内ですでに拡散しており、さらにデルタプラス型の出現により、ワクチン接種の加速と追加接種の必要性が高まると分析されている。
デルタ型とデルタプラス型以外に、ペルーで最初に発見され、南米に拡大した「ラムダ株」も近ごろ注目を集めている。ロイター通信は2日にプレプリントサービスBioRxivに掲載された同業界未審査の論文を引用し、ラムダ株は高い伝染力を持ち、かつ最初の新型コロナウイルスと比べて抗ワクチン性を備えると伝えた。ラムダ株が他国で蔓延しているデルタ型より危険かどうかはわかっていないが、日本の東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授は、ラムダ株は人間社会にとって潜在的な脅威になる可能性があるとの見解を示した。
新型コロナウイルスの変異株は政策制定者と医学界がもっとも懸念する問題の1つになっている。米CNNの報道によると、イギリス政府非常時科学諮問委員会(SAGE)は分析報告を発表し、「現有のワクチンが効かない」新型コロナウイルスの変異株が出現するとほぼ断言できると示した。
報告は、ウイルスを根絶することは不可能なため、変異株は引き続き出現する可能性が高いとしている。科学者らも、シフトまたはドリフトの抗原変異蓄積が見られ、最終的に現在のワクチンは効かなくなるとほぼ断言できるとの考えを示している。しかし、この報告は業界の審査を経ておらず、初期研究は理論段階にあり、現在のワクチンが効かない変異株が出現したことを示す証拠は提供していない。
しかし、中国国薬中生や科興などの主要ワクチンメーカーは、国産ワクチンはデルタ型などの変異株に効果があると強調した。国内のワクチン開発の進展に詳しい専門家は3日に『環球時報』の取材に応じ、「国内で主に使用する不活化ワクチンは全ウイルスを抗原とするが、mRNAワクチンの抗原はウイルスS蛋白のフラグメントであり、不活化ワクチンはワクチンの特徴をより全面的に残している。新型コロナウイルスの完全変異が発生しない限り、不活化ワクチンの免疫原性はその他のワクチンより高い」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月4日