米国は25日、年に一度の感謝祭を迎える。家族で集まって七面鳥の丸焼きを食べる伝統の祝日だが、米農務省によると、8〜16ポンドの冷凍七面鳥の1ポンド当たりの卸値は前年より21%高い1.35ドルとなっている。
非常に高価な感謝祭のごちそうは、米国の人々が耐え忍んでいる物価高による衝撃の縮図の一つだ。食品や雑貨からエネルギー、自動車に至るまで、あらゆる種類の商品の価格が大幅に上昇している。10月の消費者物価指数(CPI)の上昇率が31年ぶりの高い水準となったことで、「インフレ率の上振れは一時的」とする米連邦準備制度理事会(FRB)の説明は説得力を大きく失っている。
米国政府が打ち出した数兆ドル規模の景気刺激策は消費需要を刺激したが、不十分なコロナ対策によって労働力市場の回復は遅れている。同時に、パンデミックによるサプライチェーンの寸断や、FRBがインフレが制御不能になるよりも景気が回復するほうが早いということに賭けて引き締め政策を取らないことなどの多重の要因により、米国では高インフレが継続し、長期的なインフレリスクがより加速している。また、米国の現政権が、前政権が中国に課した高い関税を保留していることも物価高の火に油を注いでいる。
現在の高インフレは、米国の企業や人々に「アメリカ・ファースト(米国優先)」政策によってもたらされた身を切られるような痛みを感じさせるだけでなく、波及リスクも存在している。米国は、重要な部分を避けて小さい事柄だけを取り上げたり、危機を転嫁したりするようなやり方をやめて、責任ある通貨政策を講じるとともに、国際社会と協力・連携して公衆衛生対策を講じ、世界市場の流通が正常に戻るよう働きかけるべきだ。
大きく値上がりした七面鳥はワシントンへの警鐘だ。米国の政治家は、政治上の私利を捨てて、できるだけ早くコロナの流行を封じ込め、米国民の利益にかなうことをし、国際社会への責任を果たせるような政策決定をしなければならない。(CRI論説員)
「中国国際放送局日本語版」2021年11月27日