オミクロン株の感染が世界で急激に拡大しているが、その症状は軽くなっているのだろうか。ワクチンの効果に変化はないのだろうか。
症状は軽くなっているか
オミクロン株の感染者の症状が全体的に軽いとするデータがすでに出ているが、ワクチンの大規模接種や、一部の感染エリアの平均年齢が低いといったこともあり、現段階では症状が軽くなったとは断言できない。
米国の新型コロナウイルス新規感染者は3日に100万人を超え、1日あたりの感染者数の記録を更新した。研究者は、オミクロン株の症状が軽くなったとしても、感染力が強いため、感染者の激増が続けば入院者と死者の増加が続く可能性があると指摘した。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は6日、オミクロン株はデルタ株よりも重症化のリスクが低いが、軽症と言うべきではないと述べた。
国家感染症医学センター主任、復旦大学付属華山病院感染科主任の張文宏氏によると、オミクロン株は国によって異なる特徴を示しており、オミクロン株は「大きなインフルエンザ」という観点には今のところ科学的な根拠がないという。
ワクチンの効果は?重症化を防げるという最新の研究も
WHOが6日に発表したデータによると、世界の新型コロナウイルス感染の重傷者のうち9割がワクチン未接種だ。また、ワクチン接種済みの人がオミクロン株により重症化する確率が低いことを示す研究結果が増えている。
取材に応じた中国疾病予防管理センターの専門家によると、オミクロン株はスパイクタンパク質に多くの変異箇所があり、ワクチンの免疫を回避する力が強くなった可能性がある。ただし一部の研究によると、ワクチン接種済みもしくは過去半年内に新型コロナウイルスに感染した人の場合、体内に多くのT細胞で作る第2の防衛ラインがあり、オミクロン株を狙い撃ちし重症化を防げるという。
この専門家によると、新型コロナウイルス不活化ワクチンの追加接種後、抗体価が急上昇し高い水準を保ち、変異株を効果的に予防できるとの研究結果が出ている。その他のウイルス株と比べると、オミクロン株はワクチンの効果をさらに落とすため、追加接種が特に必要だという。
張氏によると、一部の国が今回の感染の波を無理に突破しようとしており、かつ死亡率も低い水準で抑えられているが、これは高いワクチン接種率によるものだ。ワクチンは新型コロナウイルスの予防・抑制の大きな力を発揮するという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年1月12日