このほど、世界中の人々が注目する北京冬季オリンピック開会式の全プランと全パフォーマンスを盛り込んだドレスリハーサルが北京国家体育場「鳥の巣」で実施され、絢爛多彩な花火が首都の夜空に打ち上がり、冬季五輪の開幕にかける人々の熱い期待をさらに高めた。まさに北京2022冬季オリンピック・パラリンピックのスローガンでもありPRソングでもある『共に未来へ』の中で、「私たちには愛が必要だ。みんな手を取り合おう。Together for a shared future」と歌われているように、この冬、世界各国の人々がこのように素晴らしい輝きを放ち、和睦と友好を唱え、人々の心を一つにする冬季五輪というスポーツの祭典を心から待ち望み、世界へさらに多くの自信と希望を与える。
国民主役の祭典
オリンピック・ムーブメントの基本的な法律文書である『オリンピック憲章』の根本原則に、「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。」と書かれている。これはオリンピック精神の趣旨が、人類の発展と社会の進歩に貢献することであることを余すところなく説明している。昨年、国際オリンピック委員会(JOC)はオリンピック・モットーに「より団結」(Together)を正式に加え、モットーを「より速く、より高く、より強くーーより団結」とした。これは世界の人々が団結・協力して危機に対応するオリンピック精神の重要な意義を表している。
北京冬季オリ・パラ開閉会式の総合演出を務める張芸謀氏は、「北京冬季五輪の開会式のパフォーマンスに司会進行はおらず、同時に人間性をより強調している」と説明した。さらに「大衆的」な部分としては、開会式の前座である広場ダンスで、下は5歳、上は70歳以上の出演者が主役となることだ。彼らはさまざまな姿を思う存分繰り広げ、中国の一般人の冬季五輪に対する期待を表現する。
現在、新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るい、世界中の人々の命と財産を大いに脅かしている。それとともに、中国国内の常態化した予防・抑制は「動的ゼロ」目標に徹し、人々の生命の安全を全力で保障し、新型コロナの予防・抑制の大きな負担に直面している。その上で、北京は最大限の努力と誠意をもって、冬季五輪の各種準備作業を秩序立てて推し進め、完璧を目指して努力し、どのような細かい点もおろそかにしない。
選手たちの夢を後押し
一振りの剣を数年磨き、今こそ切っ先が閃く。北京に集う冬季五輪選手は、いずれも自分のオリンピックの夢をかなえるために全力で取り組んでいる。北京冬季五輪が大勢のアスリートに良質な競技体験と競技環境を創出し、各種サービス・保障業務を綿密かつ入念に遂行するのに力を注ぐのは、五輪選手に夢をかなえる完璧な旅を実現してもらいたいためだけだ。
北京冬季五輪は「グリーン、共有、開放、廉潔」のオリンピック運営理念を実行し、アスリートが望んでいることを考え、アスリートが求めているものに思いを巡らせ、ハイクオリティな宿泊施設、食事、医療、交通、フィットネスセンター、娯楽、買い物など各種サービスを提供し、参加者全員に中国の魅力的なもてなしの流儀を体験してもらう。「選手の家」である冬季五輪選手村は世界各地の特色あるメニューを提供し、好みや宗教の違いに基づく特定の飲食のニーズを満たし、あらゆるところで人間本位と包摂性を体現する。冬季五輪組織委員会はさらに選手たちに感染症予防策を科学的に制定し、到着・出発、移動、宿泊、食事、競技、開閉会式など冬季五輪関係の場所を対象とするエリア別・類別の安全なクローズド・ループ方式を構築・管理し、選手と市民の安全を確実に保障する。
新設・改修どちらの競技会場でも、北京冬季五輪は総合的な利用と低炭素管理に特に力を入れ、国家速滑館や五棵松体育館などの北京冬季五輪会場では、世界で初めて二酸化炭素(CO2)遷臨界直接冷却システムを採用し、CO2排出量をゼロに近付けた。各会場はさらに風力発電、水力発電や太陽光発電などのクリーンエネルギーを大々的に採用し、冬季五輪期間中の三つの競技エリア26会場全てで「クリーン電力」を使用し、オリンピック史上初めて全会場でグリーン電力供給100%を実現する。
まさにJOC北京冬季五輪調整委員会のサマランチ・ジュニア委員長が、北京冬季五輪組織委員会が持続可能な発展の分野で多大な努力を払ったことを、とてもうれしく、また誇りに思うと述べた通りだ。北京冬季五輪はカーボンニュートラルの約束を果たしている最中で、「3億人をウインタースポーツに参加させる」の約束を果たした。このことから、北京冬季五輪は公明正大に「オリンピック・アジェンダ2020」を履行するオリンピックであり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を積極的に取り組むオリンピックでもある。
歴史を受け継ぎ未来をつむぐ
1910年7月の『申報』に、「中国はいつ万国運動大会に代表を送ることができるのか?」「いつ万国運動大会で優勝の証を手にすることができるのか?」「また、いつ万国運動大会を中国で開催できるのか?」という、「オリンピックへの三つの問い掛け」が力強い筆調で掲載された。「万国運動大会」とは、当時の中国人のオリンピックの呼称だ。
100年余りのちの今日、この歴史を振り返った中国人は、思わず感慨にふけるだろう。「オリンピックへの三つの問い掛け」に対し、世界で初めて「ダブルオリンピックシティー」になる北京は非の打ち所がない答えを提出した。北京が冬季五輪を招致した過程は、一歩ごとに国際社会と交わした中国の約束が見て取れる。2015年、北京は2022年第24回冬季五輪開催の権利を得てから、わずか3カ月で北京冬季五輪組織委員会を直ちに設立し、半年後に首鋼園区をその所在地とした。2017年2月に北京冬季五輪市場の開発計画を即座に始動し、2019年12月に冬季五輪中の運行を保障する北京-張家口高速鉄道を開通。昨年7月に北京冬季五輪選手村が完成し、引き渡された。北京冬季五輪の企画運営中、世界は中国の道を知り、中国のプランを学び、中国の知恵を理解した。
たゆまぬ努力により、北京冬季五輪の各種準備はすでに整った。中国人民は、素晴らしく、類を見ない、卓越したオリンピック大会を世界にささげる十分な自信と能力がある。数日後、世界中の視線が北京に集まり、世界各地の冬季五輪選手がこの歴史的・文化的蓄積がある「ダブルオリンピックシティー」で懸命に闘い、共に競い合い、およそ100年にわたる波乱万丈の冬季五輪の美しい歴史に新たな素晴らしい一ページがつづられることになる。
「北京週報日本語版」2022年2月3日