変異を続ける新型コロナウイルスに対して、従来のやり方では対応にやや窮する状況となっている。中国医学科学院の黄波教授のチームと秦川教授のチームは研究を掘り下げ、肺胞マクロファージを標的とすることが新型コロナウイルス感染の早期抑制の効果的なプランであることを発見し、かつ新型コロナウイルスに感染したマウスを使い臨床上で頻繁に使用される2種類の薬品を発見した。関連する研究成果は国際的な学術誌「Signal Transduction and Targeted Therapy」(電子版)に掲載された。
黄氏は7日、科技日報の取材に対して、「この研究は新型コロナウイルス感染症の安全で効果的な治療プランを提供でき、かつ古い薬品を新たに活用する大胆な試みでもある。新型コロナウイルスの治療薬のスクリーニングに新たな発想を提供する」と強調した。
新型コロナウイルスに感染したマウスを使った薬品スクリーニング実験によって、黄氏のチームは新型コロナウイルスが肺胞マクロファージの被覆小胞から逃れるのを防ぐ、臨床上で頻繁に使用される2種類の薬品を発見した。
黄氏は、「臨床上、ALNのようなビスホスホネートはマクロファージを標的とすることで、骨粗鬆症の治療に用いられる。糖コルチコイド薬のDexはよく用いられる抗炎症薬だ。DexとALNがそれぞれCTSL発現と被覆小胞のpH値を標的とし、ウイルスが被覆小胞から逃れるのを共に防げることが分かった」
黄氏によると、この併用療法の効果は鼻腔への噴霧による局部的な施薬によって実現される。系統的な施薬では肺胞表面の活性層の阻害により効果を発揮しにくい。またこの併用療法はホルモンの抗炎症作用を発揮できる。この噴霧療法はシンプルで安全で低コストで、普及させやすい。これはさらに研究を掘り下げるべき、新型コロナウイルス感染の早期抑制の新プランだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月8日