中国呼吸器救命医療専門家、北京市呼吸器疾患研究所所長の童朝暉氏はこのほど、次のように述べた。
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」にはすでに多くの亜種が生じている。臨床の観察によるオミクロン株の特徴は感染力の高さで、すなわち従来の株よりも感染拡大が急激だが、上気道の症状が中心だ。高熱が出ない人も多く、普通の熱もしくは微熱、喉の不快感、咳に留まり、主に上気道に集中する。
この時期の国内を見ると、無症状感染者と軽症者が9割以上で、中等症、重症、重篤の患者が占める割合は低い。私は最近も北京の現場に立ち、定点病院で病室を回り診察を行っているが、新型コロナウイルスにより入院し、人工呼吸器をつける必要がある人は3、4人だけだ。
オミクロン株による重症化率と死亡率は当初の株や懸念される変異株を大きく下回る。これはオミクロン株の特徴であり、ワクチン接種による免疫力の強化、国による積極的な予防プランとも関連している。2009年の世界的なインフルエンザの流行期と比べると、現在のオミクロン株により肺炎、もしくは重症や重篤になる割合は低い。
2009年には中国を含む世界でインフルエンザが流行したが、その時も肺炎になる割合が非常に高かった。私も当時多くの患者を診察したが、ICUの全員がインフルエンザ患者で、人工呼吸器とECMOを使用していた。現在のオミクロン株は当時のインフルエンザと比べると、その肺炎、もしくは重症や重篤になる割合は低い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年12月6日