2、「郎瑪」――ごく普通の家庭にも普及
「郎瑪」(ランマ)はラサ地区で流行ったチベット歌舞の名称。チベット語で「内部」という意味だ。チベットの平和的解放以前は、民間の芸人で構成される歌舞団は旧チベット政府の大殿内、また貴族の深宮の内院だけにしか出入りできなかった。舞踏はその典雅さから、宮廷内部の歌舞または宮廷舞の意味をもつようになった。だが今、この高貴で手の届かなかった宮廷歌舞も宮廷から外に出て、一般庶民がいつでも観賞できる歌舞芸術に。ランマホールも内外の観光客がチベット文化を理解する1つの窓口となっている。
「西藏風」(チベットの風)は、著名なチベット族の声楽家・ロンジョンアルジャさんが開設したランマホールだ。多くの内外の観光客がチベットを訪れては、娯楽を楽しみに先ず選ぶところ。リンチ県出身のラバさんは舞踏家。「小さいころから自分の民族の歌舞芸術が非常に好きで、家の収入を増やすためにも、舞踏の仕事を選んだ」と話す。
98年に初めてできた「ランマホール」。以後、こうした娯楽の場所は自治区全土から内地へと広がっていった。ここでは今、正統派の「郎瑪」をその目でじかに観賞できる。ホールではこれまで収蔵してきた六弦琴や揚琴、笛のほか、舞踊衣装や舞の仕方など「郎瑪」関連の資料も展示。