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ホームページ    第5章 経済建設と企業
2007年初め、中国は「経済の良質かつ急速な発展指導方針」を提起し、引き続き8~10%の経済成長率を維持することにした。中国は経済先進国には属さず、創造革新型の国家としての必要性と世界の工場になることの間には大きは格差がある。公平な競争の市場環境を整備して維持するため、中国は「独占禁止法」を制定し、審議した。中国はエネルギー生産大国で、再生可能なエネルギーの開発と原子力発電所の建設に積極的に取り組んでいるところであり、エネルギー需要の増加が世界のエネルギー安全の脅威になることはない。このほか、中国は世界で海抜が最も高く、線路が最も長い青海・チベット鉄道の建設に成功し、また国有企業の大規模な再編と外資系企業に労働組合を設立する作業をさらに進めているところである。
5-1 問 07年3月に開かれた全国人民代表大会(全人代)第5回会議で、国務院の温家宝総理は中国経済の発展理念を「急速かつ良質」から「良質かつ急速」に改めた。この転換は中国にとって何を意味するのか。今後の経済発展の面ではどんな調整を行うのか。
答 温家宝総理は全人代第5回会議で行った「政府活動報告」で、「経済の良質かつ急速な発展指導方針」を提起した。過去の「急速かつ良質」の表現と比べると、「良質」と「急速」という文字を前後に調整したものに過ぎないようだが、むしろ中国経済の発展理念の一大転換が反映されている。これは中国が経済活動指導方針で科学的発展観を具体的に示す必要性をより重視していることの表れである。それだけでなく、経済と社会の全面的な協調と持続可能な発展という目標を達成するために、発展の質的向上をより重視していることを意味している···
5-2 問 1978年から05年までの27年間、中国経済の年平均成長率は9.6%であり、中国経済の発展史で奇跡を創造した。成長の原因は何か。こうした経済の奇跡がどれほど持続するのか予測できるか。
答 過去20年余りの間、中国経済の年平均成長率は9.6%で、とくに03年から新たな成長期を迎えた。03年の経済成長率は10.0%で、04年は10.1%、05年は10.4%、06年は10.7%だった。経済成長率が急速に伸びたことで、中国の経済発展史で再び奇跡が創出された···
5-3 問 これまでの一時期、一部の西側諸国のメディアは中国がすでに先進国になったと大いに言いふらし、常に中国を先進国として対応し、要求してきた。中国政府はこの問題にどう対処するのか。現在、先進国とはどれほど離れているのか。格差は主にどんな面に表れているのか。
答 これまでの一時期、一部の西側諸国のメディアによる中国はすでに先進国となったとする報道については、われわれも注視してきた。しかし、彼らのこうした認識は全面的なものではなく、偏りがあると考えている···
5-4 問 06年初め、中国は創造革新型国家の建設を今後の奮闘目標にすることを提起した。それを築くには一体、どれほどかかるのか。創造革新型国家を建設する基礎は備えているのか。その発展の総体的目標とは何か。
答 1978年以来、中国経済は急成長を続けており、科学技術体制の改革も重要な成果を上げているが、多くの分野で依然として核心的な競争力に欠けている。例えば国産乗用車は自動車製造の10%しか占めておらず、97%の化学薬品は依然として模倣したものであり、医療機器や設備も大量に輸入する必要がある。科学技術の創造革新能力と創造革新型国家の建設の必要性との間にはまだかなり大きな差がある···
5-5 問 「中国製造」の製品は世界各地で見られることから、中国は「世界の工場」と呼ばれている。こうした呼び方にどう対処すべきか。
答 ここ数年来、中国の製造業は長足の発展を遂げており、総量で言えば世界4位まで上昇した。なかでもカラーテレビや洗濯機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、オートバイなどの製品のシェアは世界1位である。しかし、その数量の増大だけで中国を「世界の工場」と呼ぶのでは、オーバー過ぎると言われても仕方がないだろう···
5-6 問 市場競争秩序を維持するために、「独占禁止法」の制定と審議を進めているといわれるが、この法律を制定するのはなぜか。主にどんな内容が盛り込まれるのか。
答 国際的に、「独占禁止法」は「経済憲法」と言われている。現在、「独占禁止法」を公布した国は80数カ国を数え、一部の国では、独占禁止に関する立法は百年余りの歴史がある。06年6月24日、中国政府が制定した「独占禁止法(草案)」は初めて全人代常務委員会に審議のため提出された···
5-7 問 近年、ある西側メディアは一貫して「中国のエネルギー脅威論」をふりまき、「中国は国際エネルギーを“貪り食う者”で、国際原油価格高騰の主要な原因だ」と指摘しているが、こうした発言に事実的根拠はあるのか。中国は今後、国内エネルギー需要の問題をどう解決していくのか。
答 「中国のエネルギー脅威論」はその他の「中国脅威論」と同様、いかなる根拠もない。この数年来の国際原油価格の急騰の原因は多面的であり、世界経済の回復や急成長といった経済的要因もあれば、戦争や自然災害、投機マネーによる波乱など非経済的要素もある。国際原油価格の高騰は中国の輸入増加に起因する、という一部の指摘は理にかなっていない···
5-8 問 国際的なエネルギー情勢は日々厳しさを増しているため、中国は再生可能なエネルギーや新エネルギーの開発と利用を積極的に模索しているとの報道がある。現在、この事業の進展具合はどうか。その発展目標とは何か。
答 エネルギー供給問題の解決を図り、経済発展のエネルギー需要を持続的に満たすために、政府は再生可能なエネルギーの開発と利用を非常に重視している。長年にわたって努力してきた結果、水力発電や農村のメタンガス、太陽エネルギーによる湯沸かし器はかなりの範囲で応用されており、風力発電や太陽エネルギー発電、バイオ燃料などもかなり急速に発展するなど、再生可能なエネルギーの利用は年平均25%以上の速度で発展している···
5-9 問 中国は世界でも数少ない核保有国の1つである。一部の国で起きた原子力事故によって、核安全の問題には極めて高い関心が集まっている。中国の核エネルギーの平和利用、とくに原子力発電所の建設はどのように進展しているのか。また、安全確保のためにどんな措置を講じているのか。
答 原子力発電所の建設は1980年代から始まった。91年12月、華東地区の浙江省にある秦山原子力発電所が初めて発電を開始したことで、大陸の原子力発電は発展に向けて「ゼロの突破」を実現した。それから20年余りを経て、すでに完成または建設中の原子力発電ユニットは合計19基にのぼり、設備総容量は約1600万KWに達した。そのうち完成した9基の発電ユニットの発電量は大陸の総発電量の2.3%を占めている。地域の電力供給不足を緩和し、エネルギー構造を調整し、環境の状況を改善する上で重要な役割を果たしてきた…
5-10 問 高原鉄道として、青海・チベット鉄道は建設初期から多くの世界的な難題に直面してきた。「建設はほぼ不可能だ」と考えた外国人専門家もいたほどである。中国はこうした難題をどう解決して、世界で海抜の最も高い、総延長が最も長い鉄道の建設に成功したのか。
答 確かに、これまでチベットへの旅は「天への道」と呼ばれてきた。チベットに通じる鉄道を建設しようとしても、それは不可能だと考える専門家は大勢いた。海抜5000メートル以上の高山があり、広さ12キロの峡谷があり、レールの重さに耐えられない氷雪が数千キロもあるからだ。またマイナス30℃の岩石の中でトンネルを切り開き、酸素を吸いながら歩くような状況の中で、誰がレールを敷くことができるだろうか···
5-11 問 伝えられるところによると、10年までに、中国は国有資本の調整と国有企業の再編を通じて、国際競争力を備えた大企業グループを30~50社育成することにしている。こうした調整や再編は、何を考慮したものなのか。その重点と目標とは何か。
答 国有企業は国有経済の媒体であり、国有経済の抑制力は最終的には国有企業の実力に表れている。そのため、比較的強い国際競争力を備えた大企業、大企業グループを育成することが、国有資本の調整と国有企業再編の主要な目標だ···
5-12 問 国外のメディアは、小売業の世界最大手であるウォルマートが中国での労働組合の設立を拒む姿勢を変えたのは、中国の労働組合組織やメディアに圧力をかけられた結果だと報じたが、これは事実か。中国が外資系企業に労働組合を設立しようとするのはなぜか。その法的根拠とは。
答 06年8月にウォルマート泉州晋江支店に最初の労働組合が結成されてから、ウォルマート(中国)総本部に労働組合が結成されるまで、3カ月あまりしかかかっていない。ウォルマート(中国)に基層的な労働組合の結成が実現したのは、従業員の強い要望があったからであり、社会各界が協力して推進したからでもある。もちろん、中国の労働組合の特色はウォルマートに労働組合に対する姿勢を変えさせるカギともなった···
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