ロンドン五輪開幕まであと1カ月となったが、ロンドンの街並みはまだ静かな佇まいで、もうすぐここでオリンピックが開かれるとは信じ難い。しかし、五輪開催中のロンドンの治安維持に向け、10万人の警備員がすでに担当任務に就き始めている。中国国営の新華社通信が伝えた。
警備にあたる10万人の内訳は、警官1万7千人、軍兵士1万3500人、民間警備会社G4S職員約5万人、ボランティア3千人、米国から派遣されたFBI職員を含む警備員1千人など。英情報局保安部(M15)によると、今回のオリンピック安全保障計画は、第二次世界戦争後、英国最大規模の警備体制になるという。M15の職員は、休暇の取得を厳しく制限され、職員3800人のほぼ全員が持ち場の移動を命ぜられ、普段は諜報活動を行っている職員も、テロ対策部門に臨時に異動した。
しかし、2005年7月7日に起こった惨事を思い返すと、世界は不安を完全には払しょくできないのではないだろうか。2012年五輪の開催地にロンドンが決まった翌日、ロンドンはテロリストの標的となった。地下鉄と市バスで爆発テロ4件が発生、52人が犠牲となった。「五輪開催中に、テロリストが再び襲撃を仕掛けて来るかもしれない」-----。このような心配が、世界各地からロンドンに集まる観光客の頭の隅から離れないのは当然のことだろう。
ロンドンの地下鉄とバスは、以前から安全検査の設備がなく、テロの標的になりやすい。ロンドン五輪警備責任者のBen Fletcher氏は、「オリンピック会場で、乗客に対する安全検査を実施する予定はない。しかし、いくつかの保安措置が講じられることは確実だ。具体的な内容については、現時点では明らかにできない」とコメントした。