（７）医療保障のカバー範囲が一層拡大

医療保障は全国民に関わる重大事だ。今年、国は新型の農村合作医療制度を全面的に実施し、財政補助金の支給水準を大幅に引き上げる。また都市部住民を対象とした基本医療保険のモデル事業範囲を拡大し、都市部の無職の市民を段階的にカバー対象に組み込むとともに、新型農村合作医療制度と歩調を合わせて財政補助金の支給水準を引き上げるとしている。

（８）義務教育の無料化を全面実施

国は今年から義務教育の無料化を全面的に実施する。今後は義務教育段階にある農村の全生徒を対象に教科書を無料で支給し、寮生活を送る貧困家庭の生徒を対象に生活費補助政策を実施し、義務教育段階にある都市部の生徒を対象に学費と雑費を全面的に免除する。

（９）都市低所得家庭の住宅問題が解消

国の規定に基づき、すべての県政府の所在地は、住宅に困難を抱え、安価賃貸住宅の賃貸料の補助金を申請した都市最低生活保障対象家庭に対し、今年末までにできる限りの保障を行わなければならない。東部地区や条件が整えた他の地域ではさらに、住宅安価賃貸制度の適用範囲を住宅に困難を抱える低所得家庭に拡大することになっている。

（１０）企業退職者の養老年金が引き続き引き上げ

中国国内には、4000万人以上の企業退職者がいる。国務院では、企業退職者の養老年金基本額を2008年から2010年にかけて引き続き引き上げることとしており、引き上げ幅はこれまでの3年間よりも大きくなるという。今年はさらに100元以上の増額が見込まれている。昨年の北京の養老年金引き上げ幅はこれまでで最高で、現在の給付額は1月1380元となっている。

（１１）公平な就職のチャンスを提供

今年から施行される就職促進法は、多くの労働者に公平な就職のチャンスを与えるものとして期待されている。同法は雇用者に対して、▽性別を理由として女性の雇用を拒否したり女性の採用条件を厳しくしたりしてはならない▽少数民族の労働者に対して適切な配慮を行わねばならない▽障害者を差別してはならない▽伝染病病原体保有者であることを理由に採用を拒否してはならない――といった項目を定めている。

（１２）住宅ローン返済者の負担が増大

貸付金利の上昇に伴い、一部のローン返済者の負担が増大している。5年以上の住宅積立金の貸出金利は去年から合わせて54ポイント引き上げられた。借入期間20年・借入金額40万元の住宅ローンを個人が銀行で組んだとすると、金利の引き上げによって毎月100元以上負担が増えた計算となる。

「人民網日本語版」2008年1月10日