大学生の趙Cさんは訴訟により20年慣れ親しんだ自分の名前を取り戻した。「北京晩報」が伝えた。話は2年前、趙さんが現地で身分証の更新申請をした際に、江西省鷹潭市の警察官が「C」というアルファベットを使っていることを理由に、名前を漢字に変えないと身分証を更新しないとした事から始まる。公安部門は、戸籍管理システムに入力する名前にはアルファベットは使用できないと主張、その根拠は公安部の文書「姓名登記条例(初稿)」だ。民事の基本的法律である「民法通則」第99条第1項では「公民は姓名権を持ち、自分の姓名を決定、使用、規定に基づき変更する権利を持ち、他人による干渉、盗用、偽造を禁止する」と規定されている。これは「趙C」という名前が完全に法律の規定に合うことを意味している。
公安機関が英語のCはコンピュータに入力しずらいという理由から、趙Cさんの新たな身分証の発行を拒否したのではないことを願う。たった一つの文字のために公民に対して法律が支持する名前を変えることを要求するなら、こうした文書が保護するのは公民の合法的な利益ではなく、行政機関の部門の利益だ。表面的に見ると現場の担当者の便利さのためのようだが、背後にあるのは関連部門の怠慢行為だと言える。もし行政機関が自らの便利さのために立法するなら、そうした行為の背後にある理念は民衆本位のサービス型政府の理念ではなく、部門の利益でしかない。
こうした意義から同案件に対する法院の支持を見ると多面的な意義がある。最も根本的な意義は公民の個人的な権利を尊重し、人間本位の価値観を体現し、公民個人の意志の自由を肯定した点にある。
「人民網日本語版」2008年6月11日 |