中国最北にある省・黒竜江で1日、公務員試験が始まった。哈爾濱(ハルビン)の各試験会場には省内だけでなく、省外からも応募者が殺到した。このような状況は地方だけで起こっているわけではない。データによると、2009年度中央国家機関・公務員試験の出願者は初めて100万人を超え、公務員試験の出願制度が1994年に始まって以来最多となったという。
王さん(25)は今年が2回目の出願となる。銀行関係で働く王さんの生活・待遇はとても安定しているが「今年はなんとしてでももう一度挑戦したい」という。
故・鄧小平氏の文章によってこの世に出た「鉄飯碗」という言葉がある。鉄のご飯茶碗は決して割れないことから、食いはぐれのない職業、安定した収入源を指す。「リスクが少なく、待遇がよく、地位も高い」が「鉄飯碗」の意味することとなった。そして公務員になることは、まさしく「鉄飯碗」を手に入れたことを意味する。
この3年、公務員に応募する中国の若者は毎年20万人増のスピードで急増している。2009年度の公務員試験の倍率は平均で78倍、人気のポストでは3年間で最高の4000倍を記録した。
黒竜江大学で社会学を教える曲文勇・教授は、「募集人数の減少と競争激化という前提の下、中国の公務員出願人数はこの3年、依然として毎年20万人増のスピードで増えている。今年についていえば、出願者が100万人を突破したことは、中国人の多くが公務員はリスクが少なく、待遇もよく、社会的地位も高いと認識しているということだけではなく、全世界の金融危機、中小・民営企業の経営困難などの要素も関係しているだろう」と述べる。
「人民網日本語版」 2008年11月2日 |