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大学キャンパスと金融危機
発信時間: 2008-11-14 | チャイナネット

 

(2)バイト先で「リストラ」に直面 

雲南省出身の大学3年生の白君もこの頃、困ったことを抱えている。白君がバイトしていた自動車ディーラー3店から、「清掃作業は店舗スタッフが担当することになったので、12月からは来なくてもいい」という通知を一斉に受け取ったのだ。

故郷から遠く離れた上海の大学に通い始めてから、白君は両親に負担をかけないことを決心した。あちこちで職を求め、いくつか他でバイトをした後、自動車ディーラーの清掃員のバイトを本格的に始めた。仕事熱心な白君は、毎朝きちんと5時に起き、出勤時間の6時前には徒歩で仕事場に現れる。隣り合ったディーラー3店をちりひとつなくなるまで清掃する。授業が終わったら、2回目の清掃に行く。雨の日も風の日も、この生活リズムを毎日守ってきた。

年初以来、株式市場の暴落や金融危機、不景気の影響を受けて、昨年は好調だった自動車ディーラーの販売は大きく落ち込んだ。店内で人員整理などが議論されていることは、白君も聞いていた。白君が心配していたことがついに現実になってしまった。

理工系専攻の白君だが、今回の「リストラ」はマクロ経済の変動を受けたものだとわかっているため、「誰もとがめることはできない」と諦めている。今後は節約に努めながら、職探しをしていくつもりだ。「1カ月以内には新しい仕事を必ず見つける」と心に決めている。

苦境に陥っている学生は白君だけではない。中小工場や不動産企業などでバイトする多くの学生が「リストラ」の危機に直面している。白君と比べれば、レストランの配達や皿洗いのバイトを夜間にしている洪君はラッキーだったと言えるかもしれない。店主は洪君を解雇するかわりに、750元の月給を600元に引き下げた。下げ幅は20%にものぼるが、「現在の状況を見れば、バイト先が確保できるというだけで満足しなきゃならない。賃金の交渉をする余地などどこにもない」と洪君は語る。

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