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中国 一人暮らしのお年寄りが急速に増加
発信時間: 2009-10-22 | チャイナネット

「調査によると、ここ数年、中国では都市部・農村部共に一人暮らしのお年寄りの数が急速に増加しており、多くの都市ではお年寄りのいる家庭のうち、一人暮らし家庭の比率が50%を超え、日本など高齢化が深刻な国に匹敵し、この現象は重視されるべき問題となっている」。中国老齢業務委員会弁公室常務副主任の陳伝書氏はこのように語っている。

重陽節(旧暦9月9日の節句、敬老の日でもある)の到来を前に、21日に開催された第5回中国老年学家未来フォーラムの席上、数十人の専門家が「一人暮らしのお年寄り」など、高齢化の突出した問題に対して見解と提案を述べた。

中国は古来より孝道を重んじ、家庭でお年寄りの世話をしてきた。どうして一人暮らしのお年寄りが増え続けているのか?陳氏の分析によると、現在では家庭構造の変化、住宅条件の改善、養老施設の不備などが、一人暮らしのお年寄り家庭が増えている原因という。

1987年の資料によると、お年寄り家庭の中での「一人暮らし」比率はわずかに16.7%だった。しかし2000年には26%となり、推計では2030年には90%にも達するとされている。

「一人暮らしのお年寄りは現在、高齢化社会が進む中国にとって突出した特徴のひとつであり、これらのお年寄りにとってもっとも切実な問題は、生活面、安全面、そして家族との交流面でのニーズが満たされないことだ」。中国老齢科学研究センター主任の張緒ヒ悌氏はこのように述べ、一人暮らしのお年寄りが精神面、経済面、生活面での世話などの方面で十分な満足が得られなくなったとき、一人暮らし家庭は社会発展に影響を与える主要要素のひとつとなるという。

北京大学公共衛生学院副教授の劉継同氏の認識では、伝統的な親孝行という概念では既に現代中国の老後の問題を解決するのは困難だという。劉氏は、中国はドイツ、日本などの国を参考に、年金や医療保険を強制保険とする原則を遵守し、長期介護保険制度を構築すべきだと提案している。

「人民網日本語版」2009年10月22日

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