中国社会科学院直属の出版社である社会科学文献出版社はこのほど、「2010年中国経済形勢分析と予測」と題する経済青書を発表した。これによると、住宅価格は世帯年収よりはるかに高く、全国全世帯の85%はマイホームを購入するのに十分な収入がないのが現状という。以下は青書の主要内容。
住宅価格対世帯年収比(都市部住民世帯年収に対する住宅価格の割合)の基準は、3-6倍が妥当であり、6倍以上の住民世帯にとって、住宅購入は極めて困難だ。この基準を6-7倍とする他の研究もある。このゾーンを基準としても、2009年の住宅価格対世帯年収比は8.3倍に達する見通しで、住宅購入可能ゾーンをはるかに超えている。
2009年の農民工(農村から都会へ出稼ぎに来ている農民たち)住宅価格対世帯年収比は22.08倍、農民世帯収入に対する都市部住宅価格比は29.44倍と、全世帯の85%にとって、マイホーム購入は夢物語となっている。政府は、続く住宅価格の高騰を抑える目的で、都市部の低・中収入層の住宅問題を市場から切り離し、政府の保証対象に組み込んだ。しかし、中収入層に対する「保障」の内容は、全住民が「居住権」を持ち、住宅を借りることであり、「住宅財産権」を持つことではない。また、政府による保障のもとで、市場化操作が行われ、賃貸住宅についても、高・中・低の各レベルを各人が自主選択することになっている。
「人民網日本語版」2009年12月8日 |