深刻な干ばつ発生の影響を受け、南西部で被害を被った人々が大幅に増加、貧困扶助情勢は依然極めて厳しい。ラジオ中国之声「ニュース・新聞ダイジェスト」が伝えた。
南西部5省・市・自治区で発生した干ばつによる経済的損失は、ますます増え続けている。中国扶貧(貧困扶助)基金会の最新報告によると、大規模な干ばつによって、四川省を除く南西部5省・市・自治区では、少なくとも218万人以上が貧困状態に逆戻りし、経済的損失は350億元を超えた。国務院扶貧弁(貧困扶助事務室)の範小建主任は、「南西部の一部地域で発生した干ばつ被害は、今もなお完全に回復していない。最近になって再び洪水・冠水災害に見舞われ、まさに『泣き面にハチ』状態だ。南西部の広大な農村地帯、特に貧困地区が被ったダメージは計り知れない。貧困扶助情勢は一段と厳しくなっている」と述べた。
日照りが原因で貧困に逆戻りした人々の大部分は、山岳地帯の農業人口という。たとえば雲南省では、秋冬季の干ばつによって、同省の小春期作物の収穫は広面積にわたり全滅、これは、地元農民の年収の15%に影響すると見られる。このため、日照りが原因で貧困に逆戻りした約2百万人以外に、約1600万人の貧困状態もいっそう深刻になった。中国扶貧基金会の何道峰・副会長は、「雲南の漁業・農業の被害額は計170億元、貴州は132億に達した。これらの損失額から、貧困人口を対象とした場合、雲南省の1人当たり収入は676元減少する計算だ。これによって、1百万人が貧困層に逆戻りし、貧困人口は約5百万人から約6百万人に膨れ上がる」とコメントしている。
同基金会は各省の貧扶弁と執行チームを共同で立ちあげ、全国から寄せられた貧困扶助寄付金を有効に利用し、災害により貧困に逆戻りした農村住民の苦境突破と生計回復をサポートする方針。
「人民網日本語版」2010年5月24日