住宅都市農村建設部・都市交通プロジェクト技術センターがこのほど明らかにしたところによると、2000年以降、中国の都市道路・公共交通への投資額は累計2兆元以上に上っているものの、都市部での交通渋滞のまん延に歯止めは掛かっていない。
都市交通渋滞の主な原因は、交通需要の急増にインフラ整備が追いついていないことや、国民の外出パターンの小型自動車化にある。住宅都市農村建設部・都市交通プロジェクト技術センター副主任を務める高級エンジニアの馬林氏によると、都市化と自動化の相互作用が都市交通需要の急増をもたらしている。
中国は既に都市化の高速発展期に突入している。データによると、昨年末の都市化水準は46.59%、都市人口は6億2186万人。2020年までに、国民の50%が都市在住となると予測される。
急速な都市化と同時に現われたのが都市交通の急ピッチでの自動化であり、中国の都市交通の自動化は、そのほとんどを自動車の小型化が占め、2008年の中国のマイカーの全乗用車に占める割合は80%に達している。小型自動車の急速な増加を核とした自動化の発展すう勢は、都市交通渋滞に大きな課題をもたらしている。
需要急増の一方で、都市交通供給は資源的条件に著しく制限されている。都市の他の機能を満たすための用地を確保した後、住民1人当たりの平均道路用地は僅か12-15平方メートルを維持するのが精一杯で、都市道路交通施設の供給成長は既に頭打ちになりつつある。
注目すべきは、住民の外出パターンの小型自動車化が交通需給の矛盾を激化させていることだ。北京、上海、広州、成都、深センなどの超大型都市では小型自動車の外出率が不断に上昇しており、北京では既に3割を超え、一方の公共交通機関での外出率は2割前後にとどまっている。
「人民網日本語版」2010年5月27日