6月9日付の中国新聞ネットによると、台湾紙『旺報』は9日、「大陸部の大学入試から見る両岸の大学の提携」という記事を掲載し、「大学入試の合格者の割り振りは、先進的な大都市の戸籍の人に偏っているため、都市や地域が発展しているほど『人材』の比率が高くなっている。この問題の解決方法として、両岸の大学間の開放と交流は考えられる道の一つだ」としている。
記事の内容は次のとおり。
大陸部の大学は中国語で「高校」といわれ、大学入試は「高考」と呼ばれ、毎年6月7日と8日に全国各地で同時に行われる。
大学入試は統一的な選抜試験なので、競争の激しさはとてつもないものである。2010年の募集総数は657万人となる予定だ。志願者は957万人で、2009年より65万人減り、二年連続で志願者数が大幅に減少した。定員数は増加しているが志願者数は減少しているため、今年の合格率は7%上がると予測された。大陸部高校の授業内容の改革が実施されていらい初の入試となる今年、各地で合格率が全面的に上昇し、過熱する競争に苦しむ受験生たちにとって、やや慰めとなった。
農村部受験生の合格率は低い
受験生の減少は、「一人っ子」政策の明らかな効果の一つで、大学適齢人口は今後も引き続き減少する。つまり、向こう数年、受験生の更なる減少が必然的な動きとなる。より多くの大陸部の高校生が、競争が激しい「高考」をあきらめ、留学を選ぶようになっている。しかし、農村部の受験生は592.2万人に達し、総数に占める比率は2001年の40.3%から2010年の61.9%に上昇し、年間伸び率は1.4%に達した。これがまた別の問題を引き起こした。
中国の名門大学は省ごとに合格者を割り振っているが、大学所在地の受験生の定員数は多いため、合格点数は他の省の受験生に比べて低くなっている。例えば、北京には大陸部で最も多くの名門大学が集まり、多くの受験生は北京の大学への進学を志望しているが、地方の合格者数は限られ、北京大学や清華大学に合格するのは各地で点数が高い上位数名の受験生だけである。そのため、北京の受験生より点数が高かったのに大学に合格しなかったという地方の受験生も多い。
例えば、北京の清華大学の北京での合格者数は、江蘇省、安徽省、湖北省、四川省の合格者の総数よりも多い。しかし、この4省の人口総数は北京の人口の20倍以上だ。また、2005年の大学入試の合格率は55%だったが、北京や天津などの合格率は70%超となった一方で、広西省や貴州省はわずか44%で、平均より低い。