中国の一人っ子第1世代が家を出る年齢を迎えている。学問や仕事のために家を出る子供と同様、家に残された両親も、新しいステップに入った。「中年空巣症候群」の時期には、空虚感や焦りに襲われ、感情の変動が激しくなり、祝日中は、憂鬱感が倍増する。専門家は、「社会の持続的発展に伴い、今後ますます多くの『家族3人の家庭』が、『空巣家庭』に変わるだろう。空巣家庭の危機を乗り越えるためには、できるだけ早く新しいライフスタイルを確立する必要がある」と警告している。「中国青年報」が伝えた。
肖菲さんは今年の中秋節、実家に帰らず、学校に残るつもりだ。彼女と母親との確執は、相当長い間続いている。彼女は両親のために中秋節旅行ツアーを申し込んだ。「私が家に帰らないと、母が嘆き悲しむでしょう。風光明媚な場所に出かけて祝日を過ごせば、私が帰らないことによる両親の寂しさも少しは紛れるのではないかと思いました」と語る。
瀋陽出身の肖菲さんは、遼寧師範大学の2年生。異郷での大学生活も1年が過ぎ、大きく成長すると同時に、「中年空巣症候群」に襲われた両親の孤独も理解できるようになった。彼女が家を出てから1年あまり、母親はずっと落ち込み続けている。
大連市内で多数の大学生を対象とした無作為調査の結果、「中年空巣症候群」現象はすでに普遍的で、特に大学1年生と2年生の親に最も顕著に見られることが判明した。一人っ子が家を出る時点での両親の年齢は、ほぼ40歳から55歳の間で、仕事も安定しており、生活の重点は子供に置かれていた。特に、多くの母親は、「全てが子供中心」の生活を送っていたフルタイムママだ。子供が家を出て1,2年経つと、多くの両親に心理的な変化が生まれる。それが最も顕著に表れるのは、子供との通信で、2,3日に1度は電話で話し、長い時には30分に及ぶ。その内容のほとんどは、子供の近況に関することだ。
専門家は「中年空巣症候群」に陥る根本原因の多くが、両親の自らの選択にあると指摘する。生活面でのストレスが絶え間なく強まるにつれ、親は子供がよりよく成長するよう期待し、子供の「巣立ち」を励ます。「家族3人の家庭」が「2人だけの世界」になった時、親の心も一緒に変わることができず、空虚感や焦りがもたらされるという。
「人民網日本語版」2010年9月21日