大卒者の就職難で今、見栄えのしない仕事でさえ熾烈な競争が起きている。多くの応募者との差別化をなんとか図ろうと知恵を絞り、見た目をよくして企業に好印象を与えようとする者も少なくない。「広州日報」が伝えた。
A4のコピー用紙たった6枚の履歴書作成に549元も費やす。果たして割に合うのか?この種の「超高価」履歴書作成はネット上でビジネスとなっており、実際に買い手がいるのが実情だ。履歴書用写真、就職活動用スーツについても、投資を惜しまない大卒者は少なくない。また外見をよくしようと、数万元の費用も惜しまずに夏休みを利用し美容整形をする人までいる。あるメディアの統計では、夏休みに美容クリニックを訪れた人の数は普段の3倍、うち7割は卒業したばかりの大学生だった。「大学を卒業したばかりで、みんな社会人経験はどんぐりの背比べ。ならば投資で工夫するしかないんです!」華南地区の大学を卒業したばかりの丘さんは大卒者らの声を代弁する。
▽積極派「出費がなければ効果はない」
広州の外国語大学で広告を専攻した秉さんは現在、就職活動で忙しい。「応募したのは広告会社です。履歴書作成には注意を払い、創造性が認められるようにしました。同級生の中には広告代理店、外資系企業営業部などに応募している友人もいます。皆、靴やスーツ、アタッシェケースなどの購入にお金を使い、ノートパソコンを買った友人もいます。出費は大きいですね。結局は就職先が見つからないかもしれませんが、お金を惜しめば絶対に効果はないですよ」というのが秉さんの考えだ。
▽中庸派「実力さえあればよい」
理工系大学でオートメーションを専攻した江さんの観点は比較的冷静だ。彼いわく、「企業は履歴書の実質的内容を重視します。自分の能力とスタイルが存分に現われていれば、質素でも構いません。外見上は男性にとって、ある程度質のよいスーツを着れば品位が上がり好印象となるでしょう。しかし実力さえあればよいわけで、盲目的な出費はおかしいと思います」。江さんの最大の出費はスーツ、約1千元だった。広州の大学で中国語を専攻した綺華さんは大卒者がお金を惜しまずに美容整形を受けることについて、中立的な立場をみせた。「個人的趣向であり、誤りとは思っていません」。
▽保守派「父親のコネ、優れた能力が大切」
浩さんは南部の短大を卒業、就職活動で苦労している。記者の取材に対し彼は、就職活動にお金を注ぐのはあまり意味がないと打ち明けた。「なによりも父親のコネが重要!」と彼は語る。広州の大学の報道学部で学んだ暁芬さんは、「就職活動のために整形するのは一種の狂った行為です。外見、履歴書は共に会社の門を叩くための道具であり、最終的には自身の能力が勝敗を決めます。外見はただシンプルで清潔感があればよいはずです。就職活動から『替え玉』を使っていたら、これから仕事でどれだけの『替え玉』が必要になるのか?まだ社会人としてお金も稼いでいないのに浪費するのは道に背きます」。
「人民網日本語版」2010年10月14日