今年高校を卒業した全国の高校生100万人のうち、国内の大学に進学せず、海外留学の道を選んだ生徒の割合は21.1%に達した。「銭江晩報」が伝えた。
教育部の主催による「中国第3回高等学校校長大会」がこのほど杭州で行われ、全国約500校の校長が一堂に会し、高校教育の特色ある発展の道や革新人材の育成をめぐり討論が繰り広げられた。
一部の校長によると、都市部の高校生が「国内大学受験」と「海外大学受験(SAT:米国大学進学適性試験留学など)という二重の圧力に苦しむ傾向はますます顕著になっているという。一方で、国内重点大学への進学率や名門の双壁・北京大学と清華大学への合格者数における各高校間の争いがエスカレートしている。さらに、「状元(大学入試で最高点を取った生徒)」のような優等生は、国内の大学は眼中に入れず、高1や高2の頃から世界に目を向け始め、目標を世界トップ100大学に定めている。
教育部関係者は、「中国教育界にとって、今後10年の最重要任務は、公平を促し、教育の質を高めることだ。教育を受ける機会の平等を進めるが、その結果も平等とは限らない。学生の人格、クオリティ、各種能力は、単なる機械的な反復訓練だけで得られるものではない。また、北京大学や清華大学への合格者数だけを競えば、多くの学生が犠牲となる。高校教育は、人間育成の場であるという理念をしっかり確立する必要がある」とコメントしている。
「人民網日本語版」2010年11月8日