中国最高法院が「『中華人民共和国婚姻法』の若干問題の司法解釈(三)」(以下「解釈三」)に対する意見募集稿を公開した。不動産、子供、財産、不倫など結婚で注目を集める話題が取り上げられ、一気に人々の論争に火がついた。
注目論点その3
子供:妻の中絶、夫に責める権利はない
条項解読
「解釈三」意見稿第10条によると、「妻が自主的に妊娠を中絶したことに対し、夫がその子供に対する『生育権』を主張して損害賠償を請求した場合、人民法院はこれを認めない。また、子供の養育問題に関しての意見相違が夫婦間の感情を壊し、どちらか一方が協議離婚を申請したが無効にされた場合、人民法院は離婚を認める。」
賛否両論
賛成:自分の子どもは自分が生むかどうかを決める権利がある。
2004年から今まで必死で仕事をして、やっと認められるようになって、今が一番肝心な時である。2009年の夏に妊娠している事が分かり、夫や姑、舅にも黙って人工妊娠中絶を行なった。後にになって事実を知った彼らは怒りのあまり、私の実家にまで電話して、父と母に私を説得するように言いつけた。子どもを産むのは私なのだから、自分で決めたい。私はただ、子どもが将来不自由な想いをしないようにまずは十分なお金を稼ぎたかっただけである。だから、この条項には大いに賛成である。【小琪/30歳/女性/既婚/杭州】
反対:子どもが欲しいと思う権利はあるはずだ。
結婚してもう3年になるけれど、子どものことで悩んでいる。妻は自分の8歳年下である。結婚して2年が過ぎた頃、妻に子どもが欲しいと言った時、妻は、自分はまだ若いし、子どもを育てる自信がまだないと言っていた。私は納得し、無理強いもしなかった。それから今に至るが、自分の子どもが欲しいという思いは益々強くなるばかりだ。しかし、妻は未だに子どもの事を真剣に考えてはいないようだ。今回の婚姻法に対する「解釈三」が施行されれば、妻は僕の要求を完全に拒否できるし、夫婦の関係を保つためには、僕自身も我慢して待つしかなくなる。【苗哥/35歳/男性/既婚/台州】
要点分析
20世紀中頃から、女性の「産む権利・産まない権利」に対する主張は、既に世界で大きな注目を集めていた。夫婦間で、もし、子どもを産むかどうかで衝突が起きた時、まずはお互い十分な話し合いを設けるべきである。しかし、最終的な決定権はやはり女性に委ねられるのが世界共通の認識である。この規定を設けた一番の目的は、農村部で出産を強制される女性を救うためである。
では、この規定によって、男性の「生育権」に対する保障はなくなったのだろうか?関係者によると、男性の生理機能の違いや社会での役割の違いを考慮に入れ、法律は男性に離婚し、新しく「生育権」に対する共同認識を持てる相手をもう一度選ぶ自由を与えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年11月29日