中国最高法院が「『中華人民共和国婚姻法』の若干問題の司法解釈(三)」(以下「解釈三」)に対する意見募集稿を公開した。不動産、子供、財産、不倫など結婚で注目を集める話題が取り上げられ、一気に人々の論争に火がついた。
注目論点その2
不倫:「人」も居なくなれば「お金」も手に入らない。
条項解読
「解釈三」意見稿第2条によると「配偶者を有する者が第三者と同棲した場合、同棲関係を解消する際の賠償について規定する。第三者が賠償金の支払いを要求すること或いは配偶者が賠償金を支払った後に撤回したいと要求することに関して、人民法院はこれを一切認めない。しかし、合法的な婚姻関係の当事者が夫婦の共同財産が損害を被ったことを理由に配偶者が支払った賠償金の返却を要求した場合、人民法院はこれを受理し、事実状況に基づいて処理すべきである。」
賛否両論
賛成:望んで「愛人」になった女友達もこれで目が醒めるだろう。
就職のプレッシャーは重く、大学や大学院を卒業しても良い仕事が見つかるとは限らない。学生の中には平気な顔でお金持ちな人の「愛人」なる者も居る。これで、みんな目が醒めただろう、手切れ金は便りにならないと思い知ったはずだ。相手の奥さんが「うん」と言わなければ、お金なんて一銭も出ないのだ。「不倫」という良くない社会現象が規制されれば、友達も自分のことをもっと大切にしてまっすぐ生きていくだろう。【萍萍/25歳/女性/杭城某大学院生/独身】
反対:「愛人」の中には悪意を持っていない人もいる。
愛人の存在は確かに夫婦関係や家庭を波乱に陥れるけれど、「愛人」たちは婚姻外の関係であるため、主導権は全く無く、家庭の平穏を乱すような危害を率先して与えることもできない。「愛人」だって愛のために、既婚男性に自分の一番輝いている青春時代を捧げる事もある。捨てられた後に何も残らない「愛人」だけを攻めるのは筋違いではないだろうか。【小方/32歳/女/独身】
要点分析
中国の婚姻制度は一夫一妻制である。「婚姻法」でも夫或いは妻は相手に忠実である義務を負うと定めている。そのため、この規定は婚姻や家庭を守る為にも非常に有効である。規定は法律の面から見れば、不倫に対して金銭的な賠償を認めないという態度だが、道徳心から設けられた規定である事を理解する必要がある。しかしその一方、今まではずっと道徳心を判決の基準にしてきた事が、このように法で規定されることによって、今後、道徳問題は何でもかんでも法律化すれば良いという風潮が起こるのではと懸念される。真に合法な婚姻関係を保護したいのであれば、手切れ金の問題だけでなく、「不倫と愛人問題」をそのまま法律の条文に盛り込んで、あれこれ規定すれば良い話である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年11月29日