「家族の誰かが病気になると、残った家族全員で看病しなければならない」?入院した経験のある人ならほとんど、このような状況を経験している。今もなお、この問題の根本的解決には至っていない。
衛生部は数年前、国内の医師と看護師の割合を1対2とする決定を示した公文書を発表した。「2010年中国衛生統計年鑑」によると、2009年の時点で、国内の医師数は190万5千人、かたや看護師はわずか185万4千人と、現状では1対0.97となっている。
医療看護の理想である「医師:看護師=1:2」を達成するには、看護師が190万人不足している。つまり、看護師を倍増しなければ、基準をクリアできないのだ。
「三分治療、七分看護(病気治癒には治療3割、看護7割)」という諺がある。医学の発展に伴い、看護師に求められる専門技術レベルはますます高まり、患者の健康回復プロセスで看護師が果たす役割はさらに大きくなっている。看護婦不足の問題は、最近数年でやや緩和されたが、まだ理想とは程遠い。
看護師不足の原因は一体何なのか?専門家は、中国の医療機関が長い間、「治療」に重点を置き、「看護」を軽視してきた状況が第一の要因だと指摘する。このような姿勢は、不健全な医療価格システム、高すぎる薬・検査費用、低すぎる技術サービス料金などに反映されており、合理的な看護システムはいまだに確立され ていない。
二番目の要因として、国内医療機関における看護ポストの定員割れが著しいという直接的原因が挙げられる。多くの病院では、看護婦を一人増員すれば、その分支出が増えるため、人件費節約の面から看護師の数を極力抑える必要があると考えている。
報酬が低く、仕事のストレスが大きいことから、看護師職の人材流出が深刻化しているという3番目の要因も見逃してはならない。
「人民網日本語版」2010年12月3日